51: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/10/30(日) 16:18:38.79 ID:QLy5TvuG0
しずく「──……そんな臆病で、人見知りな性格のポケモンが……外に逃げるのかな……?」
かすみ「しず子?」
ましてや、今まで研究所の中でしか生活をしたことのないようなポケモンが、緊急事態が起きたからといって、外に逃げ出す……?
いや、最初は気が動転して、逃げ出すかもしれないけど……すぐに戻る気がする。
少なくとも……もし、自分が臆病で人見知りが激しい性格だったとしたら……絶対外になんか、逃げない。
むしろ──
しずく「……もし、私がそうなら……」
私は立ち上がる。
歩夢「ロズレイティー、淹れて来たよ〜」
侑「しずくちゃん?」
私は──博士が最初に並べていたボールが置かれた机の前に立つ。
善子「ああ、ボールはあの後一応、元の場所に戻したわ。かすみが持って行ったキモリのボールはないけどね」
かすみ「……ギクッ」
私が“もし、臆病なポケモンだったら”── 一番慣れ親しんだ、安全な場所に戻る。
しずく「──自分のモンスターボールの中に」
私が机の上のボールのボタンを押し込むと──ボムッ。
「メソ…」
しずく「やっと、見つけましたよ。メッソン」
メッソンがボールから飛び出してきた。
歩夢「メッソン、ボールの中に戻ってたの……!?」
侑「どうりで見つからなかったわけだ……!」
しずく「モンスターボールは中にポケモンが入っていても重さが変わるわけではありません。入っていないと思い込んでいたら、誰にも見つけることは出来ない。最高の隠れ場所なわけです」
「メソ…」
私はメッソンを抱き上げる。
しずく「ごめんなさい、メッソン……。もう、何があっても、離したりしませんからね」
「メソォ…」
ぎゅっと抱きしめると、メッソンは私の胸の中で、小さく鳴き声をあげた。
かすみ「しず子〜!!」
しずく「きゃっ!?」
急にかすみさんが、私の背中に抱きついてくる。
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