450: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/19(土) 15:46:17.78 ID:tV2B+qbY0
歩夢が自分のポケモン図鑑を見て小首を傾げながら、図鑑のボタンを押すと、すぐに音が鳴り止む。
歩夢「あ、止まった……」
侑「なんだったの?」
歩夢「うーん……わかんない……」
どうやら、歩夢にもなんで鳴っていたかに心当たりがないらしい。
……けど、その理由はすぐにわかった。
少し離れたところ──ジムの方から、同じように、pipipipipipi!!!! と音が聞こえてきたからだ。
音のする方に目を向けると、二人の女の子の姿。
女の子1「わわっ、急になになに!?」──pipipipipipipi!!!
「ガゥゥ…?」
女の子2「これもしかして……」──pipipipipipipi!!!
女の子1「何か知ってるの……? ってか、しず子のも鳴ってんじゃん!」──pipipipipipi!!!
侑「あれ……!?」
歩夢「もしかして……!」
侑「うん!」
リナ『?』 || ? ᇫ ? ||
歩夢と頷き合って、ジムの前にいる女の子たちに駆け寄り、声を掛ける。
侑「かすみちゃん! しずくちゃん!」
かすみ・しずく「「え?」」──pipipipipipi!!!
名前を呼ぶと、女の子たち──もとい、かすみちゃんとしずくちゃんがこちらに振り返った。
かすみ「え!? 侑先輩に歩夢先輩!? なんでなんで!? なんでここにいるんですか!? ってか、これうるさいんだけど!」──pipipipipipipi!!!
「ガゥガゥ♪」
しずく「かすみさん、図鑑のボタンを押せば止まるよ」
かすみ「……あ、ホントだ」
しずくちゃんが言ったとおりに、かすみちゃんが図鑑のボタンを押すと、音が鳴り止む。
かすみ「これ、なんの音だったの……?」
しずく「図鑑の共鳴音だよ。同じセットの3つの図鑑が揃うと鳴るって聞いていたけど……こういう感じなんだね」
侑「へー……ポケモン図鑑にそんな機能が……」
どうりで歩夢の図鑑も鳴っていたわけだ。
歩夢「それにしても……ちょっと会わなかっただけなのに、久しぶりに会ったみたいな気がするね。私たち、今さっきこの町に着いたところで、とりあえずジムに来てみたら、二人がいてびっくりしちゃった」
しずく「そうだったんですね。私とかすみさんも、今さっきこの町に戻ってきたところでして……」
侑「戻ってきた? 前にも一度来たってこと?」
しずく「あ、はい! 前に来たとき、ジムが開いていなかったので、一旦ウチウラシティ方面に行っていたんです」
かすみ「でも、結局ハズレみたいですぅ……ちょっと間を空ければ再開すると思ってたんですけどぉ……」
言われてジムの扉を見ると──確かに、『ジムリーダー不在のため、ジム戦の受付を停止しています』との張り紙がしてあった。
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