侑「ポケットモンスター虹ヶ咲!」
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443: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/18(金) 14:28:19.47 ID:/fdwqF8y0

しずく『こうして、ロトムは──わたしの友達は、改めてこの家に迎えられることになりました。どうやら、ロトムは……わたしが持ち込んだ教科書や好きな本を見て、言葉を覚えていたらしい。パパも驚いていたけど……それ以外には考えられないって言っていたわ。世界には……稀に人の言葉を扱えるようになるポケモンがいるらしく、嘘か真か……ニャースが言葉を喋るなんてことがあったりなかったりするとか、そんなことも言ってたかな。……まあ、そんなことは置いておいて。……わたしはこうして、大切な友達と離れ離れにならずに済んだのでした』

しずく「──あれから、何年も経ってしまったと思います。……それでも、鞠莉さんにとって、ロトムは今も大切な友達なんじゃないですか? あのときの気持ちが消えてなくなったりなんて、してないですよね……?」

鞠莉「…………」
 「ロト…」

鞠莉「…………ロトム」
 「ロト…?」

鞠莉「……わたし、まだあなたに聞いてないことがあったなって」
 「聞いてないことロト…?」

鞠莉「どうして……装置の電気を食べたの?」
 「そ、それは…」

鞠莉「装置が止まったら、研究が止まること……わかっていたわよね。でも、どうして装置の電気を食べたの?」
 「…ロト」

鞠莉「怒らないから、聞かせて」
 「…………マリー…あの研究を始めてから、寝る間も惜しんで、頑張ってて…何度もうまくいかないって、すごく苦しそうで…だから、ボク…マリーがそんなに辛いなら…いっそ…って…」

鞠莉「…………そっか」


だから、“もうわたしが、これ以上苦しい研究をしなくてもいいように”装置を止めたんだ。


鞠莉「…………ごめんね、ロトム。わたし、あなたのこと……全然見てあげてなかった……」
 「…ロト」

鞠莉「本当は……イタズラしてくるのも、わたしが研究にかまけて、あなたの相手をしてあげなかったからだったって……気付いてた」
 「……」

鞠莉「ほんっとうに……酷い“おや”だね、わたし……っ……」
 「マリー…」

鞠莉「ごめんね……ロトム……っ……」
 「マリー…ナカナイデ…」


ロトムが──しずくの図鑑から飛び出して、わたしの頬にその身を摺り寄せてくる。


 「ロト、ロトトロト」
鞠莉「ふふ、今回は許してあげる……。でも、次からはちゃんと、言葉にして教えてね……?」

 「ロト、ロトロ、ロトトロトロト」
鞠莉「うん、これからは昔みたいに……いっぱいお話しして、伝え合おうね……」


果南「一件落着……みたいだね」

かすみ「やったね、しず子」

しずく「……うんっ」





    💧    💧    💧





──オハラ研究所。


鞠莉「はー……まさか、あんなことしてくるなんて思ってもみなかったわ……」

しずく「す、すみません……。ロトムと出会ったときの気持ちを思い出せば……仲直り出来るんじゃないかなって思って……」

鞠莉「……いいえ、むしろお礼を言わせて。ありがとう、しずく。……お陰で、初心を取り戻すことが出来た気がするわ」


そう言いながら、鞠莉博士はロトムを撫でる。



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