441: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/18(金) 14:26:22.08 ID:/fdwqF8y0
『ロト…?』
しずく『あのね、このままじゃロトムがおいだされちゃうかもしれないの……だから、ここにろうじょうしよう!』
『ロト』
しずく『ママったら、ひどいの……あなたはきょういくによくないって……だから、おいだすって……』
『ロト』
しずく『あなたはイタズラ好きのわるいポケモンだって……そんなことないよね』
『ロト』
しずく『うん……わたしの言ってることがわかる、かしこいポケモンだもんね。あのね、人のことばをりかいできるポケモンってすくないんだよ。だから、ロトムはきっとすっごくかしこいポケモンで、ぜったいきょういくにわるいなんてことないもん!』
『ロト』
しずく『だから、わたしはそれをパパとママにわかってもらうまで、ここでろうじょうする!』
『ロト』
しずく『ぜったい、ロトムをおいださせたりなんかしないからね!』
『ロト』
そのとき──ドンドンドン!! と激しくドアを叩くような音が鳴り響く。
果南『開けなさい!! 開けて出てきなさい!!』
しずく『イヤ! ロトムがきょういくにわるいポケモンじゃないってわかってくれるまで、外に出ない!』
果南『聞き分けの悪い子ですね……こうなったら実力行使です』
──ガン!! 扉を叩く音がさらに強くなる。
恐らく何かしらのポケモンの力で扉を壊そうとしているのだろう。
しずく『……っ……だいじょうぶだよ、ロトム。わたしがロトムのことぜったいおいださせたりなんか、しないから……!』
『ロト』
──ガンッ!! さらに扉を打ちつける音が大きくなる。
しずくは、
しずく『……だいじょうぶだよ……っ……』
ポロポロと涙を流しながら、ロトムを抱きしめていた。
『ロト…』
でも、結局、扉が破られるのは時間の問題で──バァン!! という大きな音と共に、扉が無理やりこじ開けられたしまった。
そして、中に入ってくる母親。
果南『観念しなさい』
しずく『イヤ……!』
果南『理解して。その子は貴方にとってよくないポケモンなの』
しずく『そんなことないもん!! ロトムはわたしのことばをりかいできる、すっごいかしこいポケモンなんだもん!! きょういくにわるくなんかないもん!!』
果南『そう思っているのは貴方だけですよ。適当に相槌を打つように鳴いているだけで……ロトムは貴方の言葉なんて理解していません』
『ロト…』
しずく『そんなこと……ないもん……』
『ロト…』
そのとき、抱きしめられたロトムが急にしずくの腕をすり抜けて──
しずく『あ!? ロトム……!?』
1002Res/2130.98 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20