侑「ポケットモンスター虹ヶ咲!」
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439: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/18(金) 14:22:59.95 ID:/fdwqF8y0

しずく『言うこときいてくれて、ありがと! ポケモンさん!』

 『ロト』

しずく『あなたはそのテレビをあやつってるんだよね?』

 『ロト?』

しずく『もし、いやじゃなかったら……テレビからでてきて、あなたのすがたを見せてくれないかしら?』

 『ロト』

しずく『わたしね! あなたとおともだちになりたいの!』

 『ロト』


しずくの言葉を聞くと、ポケモンはそのテレビから──飛び出した。


 『ロト』


小さな丸い体にとんがった頭頂部を持ち、体の表面に薄緑色のオーラのようなものを纏った、オレンジ色のポケモン──ロトムだった。


しずく『それが、あなたのすがたなのね!』
 『ロト』

しずく『お名前はなんて言うの?』
 『ロト』

しずく『ロト? ……ロトって言うんだ!』
 『ロト』

しずく『よろしくね、ロト! 今日からわたしとあなたはおともだちだよ!』
 『ロト』


かすみ『──お嬢さま〜? やっぱり、そこに何かいるんですか〜?』


しずく『わっ! 今日はこれいじょうここにいると、見つかっちゃうかも……。また明日くるから、ちゃんとここにいてね!』
 『ロト』

しずく『やくそくだよロト! また明日ね!』


そう言って、しずくは部屋から駆け出して行き、場面が暗転する。

そして、再び“スポットライト”がしずく一人を照らす。


しずく『──これが、わたしとロトの出会い。わたしはこの日を境に、毎日のように地下にある倉庫のロトに会うため、ここを訪れた。ロトはわたしが来るたびにその姿を現して、音と光と電気でわたしをもてなしてくれた。わたしもそれに応えるように、精一杯今日何があったか、どんなお勉強をしたかをロトに教えてあげた。毎日のお勉強で使っている教科書とか、好きなご本とかも持っていってたくさん読み聞かせたりして……。私自身、お勉強をしているうちに、目の前のポケモンの名前がロトじゃなくてロトムだと知ったときは、少しばつが悪かったけど……。でも、それを話したらロトムはおかしそうに笑っていた。それに釣られて、わたしもたくさん笑ってしまった。……ロトムと一緒に過ごす時間は、退屈なわたしの日常を一変させてくれた。……そんな日々がしばらく続いたんだけど……ある日、恐れていたことが起こった──』


しずくのいる室内に、一人の人間が入室してくる。


果南『しずく』

しずく『ママ? どうしたの?』


どうやら、果南は母親役らしい……。



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