428: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/17(木) 16:13:18.41 ID:pCSsxJZL0
なんだか、それもわかる気がした。
小さい頃大好きで毎日抱きしめて寝ていたぬいぐるみも、気付けばベッドの隅にあるインテリアになってしまったり。
大好きで一生遊んでいたいと思っていたおもちゃも、気付けば倉庫の中。
成長していく過程で、いろんなものを見て、知って、子供の頃、一番大切だったものよりも、さらに大切なものが見つかったり、好きなものが増えて、相対的に価値が薄まって行ったり……。
それは寂しいことであると同時に、成長しているということ。やむを得ず、そしてありふれた当たり前のこと。
しずく「…………」
でも、確かにあったことなんだ。ロトムと鞠莉博士の間には。確かにあった出来事で、大切な思い出で、大切な絆のはず。
だから、
しずく「……忘れないで欲しい」
かすみ「しず子……」
果南「そうだね。……でも、人は忘れる生き物だからさ」
しずく「なら……思い出させてあげましょう」
果南「え?」
かすみ「思い出させる……?」
しずく「ロトムにも、鞠莉博士にも、そのときの気持ちを思い出してもらいましょう。私に考えがあります」
私は二人に耳打ちをする。
果南「……なるほど」
かすみ「しず子らしいね! いいと思う!」
しずく「ただ、お二人にも協力していただくことになってしまいますが……」
かすみ「もう! 何、水臭いこと言ってんの! かすみんとしず子の仲でしょ?」
果南「ま、世話の掛かる幼馴染のためだからね。いいよ、私も協力するよ」
しずく「ありがとうございます! それと──ゾロアも協力してね?」
「ガゥ?」
私はロトムと鞠莉博士のために、あることを実行するための準備を始める。
💧 💧 💧
──その晩。
しずく「すみません果南さん……お家に泊めていただいてしまって」
果南「いいっていいって。アワシマって、鞠莉の研究所か私の家くらいしか寝泊まり出来る場所もないしさ」
しずく「ありがとうございます。お陰で集中して作業が出来そうです……!」
そんなに時間の余裕がないので、集中して早めに終わらせてしまいたい。
1002Res/2130.98 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20