427: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/17(木) 16:09:52.49 ID:pCSsxJZL0
人の言葉を解すポケモンは確かに存在する。ラプラスなんかは有名だし、それこそロトムも人の生活に密接故、頭の良いポケモンに数えられるだろう。
とはいえ、人語を完全に理解するのは普通のことじゃない。
人間だって、外国の言葉を習得するには、大変な労力が必要なわけで……。
どう考えたって、ロトムは最初から人の言葉がわかっていたわけじゃないだろうし、それはつまり──自らの力で習得したということだ。
多大な労力を払って。
しずく「どうして、そこまでして……」
ポケモンがそこまでする理由が私にはピンと来なかったけど、
かすみ「え? そんなの簡単じゃない?」
逆にかすみさんはすぐに理解出来たようだった。
かすみ「そんなの、人とお話ししたかったからに決まってるじゃん!」
しずく「……確かに」
そのお話ししたかった人って……どう考えても、
しずく「鞠莉博士と……お話しするために……」
果南「……そうだね」
鞠莉さんのために種族の壁を超えて、人の言葉を覚えたロトム。
そんな絆を持った人とポケモンが、すれ違ってしまうのは……有り体に言えば、なんだか嫌だった。
しずく「果南さん」
果南「ん?」
しずく「もう少し……詳しく教えてもらえませんか。ロトムと……鞠莉博士のこと」
果南「……そうだなぁ。それじゃ、鞠莉とロトムの出会いのこと、話すね。私も鞠莉から聞いたことまでしかわからないけど……──」
💧 💧 💧
果南「──……ってわけで、ロトムは鞠莉のポケモンになったんだ」
かすみ「……なんだか、すごくドラマチックな話だった」
しずく「うん……」
果南さんから聞いた話は、鞠莉博士とロトムの結びつきを確かに感じられる素敵なお話だった。
かすみ「なんか、こんな話聞いちゃったら……かすみんも鞠莉博士とロトムに仲直りして欲しいって思っちゃいます……」
果南「まあね……。心の奥では、お互いのことを大事に想ってるのは間違いないんだよね」
かすみ「昔のことすぎて、忘れちゃったんでしょうか……」
果南「そうかもね……出来事としては覚えていても、気持ちはあのときと比べて薄れちゃったのかもね」
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