422: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/17(木) 15:55:24.69 ID:pCSsxJZL0
💧 💧 💧
……が、結論から言うと、かすみさんの助力はそこまで必要がなかった。
研究所から外に出て、真っ直ぐ行ったところにある浜辺に、
「……ロト」
ロトムはいた。
ただ、かすみさんの姿は見えないので、恐らく今頃、違う場所を駆け回っているんだと思う。
しずく「ロトム」
「ロト…しずくちゃん…」
しずく「本当に鞠莉さんのところには戻らないつもりなんですか?」
「さ、最初からそう言ってるロト…!! 絶対に戻ってなんかやらないロト…!!」
しずく「なら、どうして──アワシマまで付いてきたんですか?」
「ロ、ロト…!? だ、だって嫌がるボクをここまで連れて来たのはしずくちゃんロトよ!?」
しずく「……貴方が本気で抵抗したら、逃げるのなんて訳なかったんじゃないですか?」
「……ロト」
しずく「でも、貴方は逃げませんでした」
「……」
正直、途中から薄々気付いていたことだけど……ロトムは口で言うほど、“おや”のもとに戻ることにあまり抵抗していなかった。
私はいつでもどこでもロトムを捕まえられるような準備が出来ていたわけではないし、ロトムが本気で抵抗してきたら、恐らく私にもかすみさんにも止めることは出来なかっただろう。
しずく「本当は──鞠莉さんのところに戻りたいんじゃないんですか?」
「……う」
しずく「う?」
「う、うるさいロトーーー!!! ボクは絶対に戻らないロトーーー!!!!」
ロトムはそう大声をあげながら、海の上をピューンと飛び去って行ってしまった。
しずく「ロトム……」
どうして、あそこまで頑ななんだろうか。
『本当は戻りたい』というのは、そこまで外していない気がするのに……。
うーんと一人で考えていると──
「ガゥガゥ!!!」
かすみ「こっちから、声が聞こえました!! ……って、しず子じゃん」
しずく「かすみさん……」
声を聞きつけたかすみさんが、こちらに駆けつけてくる。
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