421: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/17(木) 15:51:42.13 ID:pCSsxJZL0
鞠莉「あとで捕まえて図鑑から追い出すから……それまでは待っててもらえるかしら? ……お詫びと言ってはなんだけど、研究所内を好きに見てもらっていて構わないから」
かすみ「え、いいんですか!?」
しずく「すぐにロトムを追いかけないんですか?」
鞠莉「ちょっと、手が離せないことをやってる最中でね……。これが終わったらすぐに向かうから。本当にごめんなさい」
しずく「あ、いえ……! むしろ、そんな忙しいときにすみませんでした」
私はペコリと頭を下げる。
しずく「それでは……少しの間、研究所内を見学させてもらいますね」
鞠莉「ええ。何かあったら、所内にいる使用人に言ってくれればいいから」
しずく「わかりました。かすみさん、行こ」
かすみ「うん! この研究所、入り口だけでも可愛いポケモンがいっぱいいたから、見て回るの楽しみかも〜♪ 行こ、ゾロア!」
「ガゥガゥ♪」
私はジメレオンとアオガラスをボールに戻しながら、鞠莉博士の部屋を後にする。
かすみ「さて……どこから見て回る?」
ノリノリなかすみさん。対して、私は、
しずく「……私は、ちょっとロトムを探してみるよ」
そう答える。
かすみ「え? でも、あとで博士が捕まえてくれるんでしょ?」
しずく「まあ、そうなんだけど……」
私はなんだか、ロトムの態度に少し引っかかりを感じていた。
……短い間とはいえ、一緒にいたから、情が湧いたというのもあるのかもしれない。
かすみ「何か気になるの?」
しずく「まあ、うん……ちょっと……だから、かすみさんは一人で見て回ってていいから──」
かすみ「なら、かすみんも一緒に探してあげる!」
しずく「え? いいの?」
かすみ「だって、気になるんでしょ? 二人で手分けして探した方がきっと早いし!」
しずく「かすみさん……ありがとう。それじゃ、お願いしていい?」
かすみ「任せて! 行くよー! ゾロア!」
「ガゥガゥ!!」
かすみさんはゾロアと一緒に、元気よく駆け出して行った。
私もかすみさんに続くように、ロトムを探しにアワシマ内を歩き始める──
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