410: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/16(水) 18:09:05.26 ID:jDmvoJTA0
侑「私、歩夢は戦いたくないんだって……勝手に思い込んでた。そうじゃなくて……私に傷ついて欲しくなかったんだよね」
歩夢「侑ちゃん……。うぅん……旅をしてたら、そういうことがあることくらいわかってたのに……私が我慢できなくて……」
侑「それだけじゃないんだ……私、歩夢の気持ち……全然わかってなかった」
歩夢「私の……気持ち……?」
侑「……歩夢。私、歩夢のことを守りたい。歩夢が傷つかないように、強くなって、歩夢を守りたい」
歩夢「……うん、そう言ってくれて、想ってくれて……嬉しいよ」
侑「でもそれってさ……歩夢も同じだったんだって」
歩夢「…………」
侑「歩夢も、私に傷ついて欲しくないって思ってくれてるし、守りたいって思ってくれてるんだって……」
歩夢「……そうだよ……そんなの当たり前だよ……。だって、大切な幼馴染なんだよ……っ……」
侑「ごめん、歩夢……私、歩夢のその気持ちを……ちゃんとわかってなかった……」
歩夢「…………ぐす……っ……私も……ごめんなさい……っ……ちゃんと、伝えられなくて……っ……」
歩夢が目元を拭いながら言う。
歩夢「私……強くなりたい……っ……侑ちゃんの傍で……侑ちゃんを守ってあげられるくらい……っ……でも、全然うまくいかなくって……っ……」
侑「そんなことないよ……私、ずっと歩夢に助けられてたんだよ?」
歩夢「え……?」
侑「私一人じゃ、毛づくろいもちゃんと出来ない……ほら、見て」
「ブイ?」
イーブイを抱き上げて、歩夢に見せる。
侑「今のイーブイの毛並み……ぼさぼさ。歩夢がしてくれると、ちょっとのバトルじゃ乱れないくらい完璧な毛並みになるのに」
「ブイィ…」
歩夢「……ふふ。ちゃんと毛づくろいしろって、睨まれちゃってるね」
侑「それに、イーブイたちの好きな味もあやふやで……。私はずっと歩夢に支えて貰ってた」
歩夢「……うん。でもね、私は……それ以外でも侑ちゃんのことを支えたくて……」
侑「もちろん、バトルでも」
歩夢「え」
歩夢は心底、驚いたように声をあげながら目を見開く。
侑「昨日のジムバトル……もし私一人だったら、花陽さんには勝てなかったと思う」
歩夢「そ、そんなことないよ!」
侑「うぅん……今ならわかるんだ。あのときの私じゃ、絶対に勝てなかった」
きっと、耐久ポケモン相手と愚直に戦って、負けてしまっていたと思う。
侑「だけど、歩夢は花陽さんのポケモンに勝ってた……! 確かに試合には負けちゃったけど……歩夢がいたから、あそこまで善戦出来たんだ。だから、ありがとう……歩夢」
歩夢「侑ちゃん……っ……。……うぅん、最後、一人で先走っちゃって……ごめんね……」
侑「私ももっと早くアドバイス出来なくて、ごめん……。……歩夢」
歩夢「なぁに……っ……?」
侑「私と一緒に、強くなろう……! それで、次は勝とう……!」
歩夢「……! ……うんっ……!」
自然と二人で手を握り合う。
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