406: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/16(水) 18:01:14.14 ID:jDmvoJTA0
砂浜まで、全速力で戻ってきて。
海に目を向けると──パールルは今も海の中にいた。
今のままじゃ、歩夢に顔向けなんて出来ない。
だから、せめて──
侑「この課題を……今この場で、クリアする……!」
彼方さんからの課題をクリアして、歩夢にちゃんと謝ろう。
──パールルに視線を向ける。
今も尚、硬い殻に身を隠し、じっとしている。
さぁ、どうする。ちゃんと、考えろ。
私は、自分が今まで観てきたバトルの知識を、総動員して考える。
千歌さんだったらどうする? きっと、必殺の一撃で、殻を割り砕く。
せつ菜ちゃんだったらどうする? 上手に攪乱しながら、自分の全力をぶつけられる状況を作り上げる。
パワーが自慢のあのトレーナーだったら? スピードが自慢のあのトレーナーだったら? テクニックが自慢のあのトレーナーだったら?
歩夢だったら……? どうする……?
……そこまで考えて、やっとわかった。
侑「みんな……違うやり方で、自分のやり方で、戦ってるんだ……」
じゃあ、私は誰の真似をすればいい?
……違う、そうじゃない。
侑「私の──私たちのやり方を見つけないといけないんだ」
「ブイ」「ワシャ」「ライボ」
私には、千歌さんみたいな必殺技はないし、せつ菜ちゃんみたいな戦術もない。
パワーも足りない、スピードも足りない、テクニックだってまだまだだ。
なら、どうすればいい?
侑「そんなのわかりきってるじゃん……」
答えは簡単だった。そもそもポケモントレーナーが、やらなくてはいけないこと。
侑「自分たちに今出来る中で、ポケモンたちが一番の力を出せる方法を考えることだ……」
こんなこと、学校の授業でも教わる基本的なことなのに。
侑「……すぅー…………ふぅー……」
一旦、深呼吸。
当たり前のことがわかっていなかった自分を悔やむのは後でいい。
わかったなら、今は考えるんだ。
侑「まず、あのパールルの防御力……」
正攻法での突破は不可能と考えた方がいい。
物理攻撃でも特殊攻撃でも、あの殻に攻撃したところで、ほとんどダメージはない。
ならどうする?
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