400: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/16(水) 17:52:19.53 ID:jDmvoJTA0
エマ「歩夢ちゃん!! 危ないから、下がって!!」
歩夢「……っ」
立たなきゃ。立って戦わなきゃ、そう思うのに……膝が震えていた。
……怖い。
エマ「大丈夫だよ!! 歩夢ちゃん!!」
歩夢「エマさん……」
エマ「この牧場にいる子たちは、みんなわたしの家族だから……!! 絶対にわたしが守るから……!!」
──バチン!! 大きな音を立てて、飛び込んで来たラクライの“スパーク”が爆ぜる。
エマ「きゃぁっ!?」
「ガ、ガルッ…!!」
歩夢「エマさんっ!?」
エマ「ガルーラ、大丈夫!?」
「ガ、ガルッ」
ガルーラはどうにか持ちこたえて、飛び込んできたラクライを掴んで投げ飛ばす。
でも、確実に大きなダメージが入ってしまった。
それを皮切りに、一気にラクライたちがなだれ込んでくる。
エマ「っく……頑張って!! ガルーラ!! ゴーゴート!!」
「ガルゥッ!!!」「ゴーーットッ!!!」
このままじゃ……持ちこたえられない。
そんなことは、私の目から見ても明らかだった。
だけど、
エマ「絶対に……みんなを守らなきゃ……!!」
エマさんは、一歩も引かなかった。
どうして? どうして、そこまで出来るの?
いや……そんなの、
歩夢「……守りたいからだ……」
守らなくちゃいけないモノが自分の後ろにあるから、エマさんは諦めないんだ。諦めずに戦っているんだ。
じゃあ、私は……? 何のためにここまで来たの?
私はこのまま……守られているだけでいいの?
歩夢「いいわけ……ないよ」
震える脚に力を込めて、立ち上がる。
歩夢「私だって……ポケモントレーナーだもん……」
顔を上げると、稲妻が迸り、雷光と雷鳴が視覚へ聴覚へ、その凄まじさを主張してくる。
怖い。
数日前に見た、あのときと全く同じ恐怖が込み上げてくる。
だけど、
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