395: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/16(水) 17:46:59.59 ID:jDmvoJTA0
飼育小屋に入らず、何故かウールーたちが私に向かって群がってくる。
歩夢「も、もう……早くしないと雨降ってきちゃうから……」
こうして群がられてしまうと、“もふもふ”で動きづらくて仕方がない。
少し可哀想だけどこのままじゃ埒が明かないので、1匹ずつ持ち上げて、小屋の中に放り投げる。
ウールーたちはかなりの数がいるけど、1匹1匹コツコツと小屋の中に入れていくと、次第に数が減ってくる。
歩夢「あなたが最後だね」
「メェ〜」
最後の1匹を抱えたまま小屋に入って、中から外を見ると、ちょうど──ぽつぽつと雨が降り出した。
歩夢「よかった……間に合った」
安心で、一息。
そのとき──ピシャーーーンッ!! という轟音と共に稲妻が迸った。
歩夢「きゃぁっ!?」
思わずびっくりして、耳を押さえながら、蹲ってしまう。
歩夢「び、びっくりした……」
「シャボ」
歩夢「……だ、大丈夫。ちょっとびっくりしただけだから……ありがとう、サスケ」
心配して鳴き声をあげるサスケの頭を撫でながら立ち上がる。
雨の中、雷が落ちた方角を確認する。あっちの方って……。
歩夢「メリープ牧場の方だよね……」
エマさん、大丈夫かな……。
お手伝いに向かった方がいいかな……そう考えていたら──ピシャーンッ!! とまた雷が鳴る。
──と思ったら、さらにゴロゴロという音と共に、雷が轟き、また空を光らせた。
歩夢「……!?」
驚いて目を見開いている間にも、次の雷が轟音を立てながら空気を震わせる。まるで、雷が意思を持ったかのように、メリープ牧場付近に降り注いでいるようにも見えた。
あの光景には見覚えがあった。
歩夢「行かなきゃ……!!」
私は気付いたら雨の中を走り出していた。
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