394: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/16(水) 17:44:48.35 ID:jDmvoJTA0
エマさんは本当に優しいな……。
昨日は心の中が悲しい気持ちでいっぱいで、もうどうすればいいのかわからなかったけど……エマさんの優しさに触れていたら、だんだん気持ちも落ち着いてきた気がする。
侑ちゃんとのことは……どうすればいいのか、まだ答えは出ていないけど……。
ぼんやりとそんなことを考えていると、
「シャボ…」
急にサスケが小さく鳴きながら、天を仰ぐ。
歩夢「サスケ?」
私も釣られて、空を見上げると──灰色の雲が少しずつ空を覆い始めていた。
エマ「天気……曇ってきたね。もしかしたら、雨になるかも……」
歩夢「早めに牧場の子たちを飼育小屋に入れた方がいいですか?」
エマ「そうだね……。……特にメリープとかウールーは雨に打たれると、毛が水を吸い過ぎて動けなくなっちゃうから……」
歩夢「それじゃ、私はウールーたちを小屋に入れてきますね」
エマ「ありがとう〜助かるよ〜。それじゃ、わたしはメリープたちを……」
早速ウールーたちの放牧地帯に行こうとした、そのとき、
歩夢「……?」
何か、変な感じがした。
肌がピリピリする。変な感じ。
エマ「歩夢ちゃん? どうかした?」
歩夢「あ、いえ、なんでもないです! 行ってきます!」
エマ「うん。何かあったら呼んでね!」
歩夢「はーい」
私は今度こそ、ウールーたちの所へと足を向ける。
歩夢「気のせい……だよね……?」
正体不明の違和感に首を傾げながら……私はなんとなく、妙な胸騒ぎを感じていた。
🎀 🎀 🎀
歩夢「みんなー、こっちだよ〜」
「メェ〜〜」「メェ〜〜〜」「メェェ〜」
飼育小屋の前からウールーたちを呼ぶと、コロコロ転がりながらこっちに向かってくる。
「メェ〜」「メメェ〜」「メ〜〜」
歩夢「わわ!? 私じゃなくて、小屋の中に入ってー!?」
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