390: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/16(水) 17:35:40.07 ID:jDmvoJTA0
気付けば、私の手持ちたちも同様に、パールルから“みずでっぽう”を浴びせかけられていた。
ダメージこそそんなに大きくないものの、水に阻まれて攻撃どころじゃなくなっている。
しかも、
侑「あ……!?」
パールルは僅かではあるものの、水の逆噴射でちょっとずつ海の方へと戻っていっている。
侑「ま、まずい……! せっかく、海の外に出したのに……!」
思わず、その動きを止めるためにパールルに駆け寄ると、
侑「わぷっ!!」
再び、同じように“みずでっぽう”で顔を狙撃された。
「ブ、ブイィ…」
転んだ私のもとにイーブイが駆け寄ってくる。
侑「……だ、大丈夫だよ……水がしょっぱいだけだから……」
イーブイを撫でながら、パールルに目を向けると──もうすでに寄せては返す波に攫われて、海の中へと戻って行っているところだった。
侑「…………」
「ブイィ…」
侑「……反撃してくるなんて、聞いてないよぉ……」
彼方「反撃しないとも言ってないよ〜」
気付けば、尻餅をついたまま項垂れる私の背後に彼方さんが近付いてきていた。
侑「彼方さん……」
彼方「着眼点は悪くなかったと思うよ〜」
侑「……ありがとうございます」
彼方「とりあえずそろそろお昼ご飯の時間だから、一旦休憩にしようね〜。彼方ちゃんが特製お弁当作ってきたから〜」
侑「……はい。イーブイ、ワシボン、ライボルト、休憩にしよう」
「ブイ」「ワシャ」「ライボ」
なんだか、不意打ちを食らったようで釈然としないけど、確かに彼方さんの言うとおり、パールルが反撃してこないなんて一言も言っていなかったのは確かだ。
言われるがまま、リナちゃんと遥ちゃんが待つレジャーシートに行くと、すでに美味しそうなお弁当が広げられていた。
遥「侑さん、惜しかったですね……」
侑「あはは……陸までは引き摺りだせたんだけどね……」
リナ『でも、あんなに反撃されると近づけない』 ||  ̄ ᇫ  ̄ ||
侑「そうだよね……」
思った以上に正確な狙撃のせいで、近付くことすら困難な状態。
しかも……攻撃したところで殻を壊せる保証が全くないし……言うほど、惜しくもない気がする。
状況は振り出しに戻ったというか……何も進歩していないというか……。
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