380: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/15(火) 13:33:55.21 ID:BfviSDpF0
彼方「それに立ち回りの面で言っても……侑ちゃんの戦い方はあんまりベストとは言いづらかったかも」
リナ『具体的には?』 || ╹ᇫ╹ ||
彼方「まず侑ちゃんは最初にズルッグじゃなくて、ディグダを攻撃したよね」
リナ『うん』 || ╹ _ ╹ ||
彼方「でもワシボンなら、タイプ相性的にディグダよりもズルッグを狙った方が、たくさんダメージを与えられるはずだよね。それなのに、侑ちゃんはディグダを狙った」
リナ『恐らく……歩夢さんの手持ちを考慮してだと思う。アーボもヒバニーもじめんタイプは苦手だから』 || ╹ᇫ╹ ||
彼方「そうだね。だから、侑ちゃんは歩夢ちゃんのポケモンを守るために、ディグダを優先した」
リナ『仲間を守るのも重要な作戦じゃない?』 || ? ᇫ ? ||
彼方「確かにね〜。だけど、問題は歩夢ちゃんを守る必要があったのか、なんだよね」
リナ『守る必要があったか? どういうこと?』 || ? ᇫ ? ||
彼方「……彼方ちゃんが見た感じだと、歩夢ちゃんってすごーく相手をよく観察して戦う子に見えたし、戦い方自体も防御や補助が主体。前に出るときも、しっかり準備を整えてから攻撃に移る子なんだよね」
歩夢ちゃんの技選びは終始すごく堅実だった。“とぐろをまく”で防御姿勢を取り、“へびにらみ”で相手の動きを制限したり、攻撃に移る前にも“ニトロチャージ”や“きあいだめ”で技を確実に決める準備をしっかり行っていた。
彼方「歩夢ちゃんもタイプ相性くらいは理解してるだろうし、侑ちゃんがズルッグを狙って相手の数を削ることを優先したら、その間ちゃんとディグダの攻撃を受け切れたんじゃないかなって」
リナ『相性が悪くても?』 || ╹ᇫ╹ ||
彼方「じめんタイプの技は仲間を巻き込んじゃう技も多いから、ズルッグをしっかり地上に釘付けにしておけば、“じならし”、“マグニチュード”みたいな技は撃ちづらくなるからね〜」
リナ『……なるほど』 ||  ̄ ᨈ  ̄ ||
彼方「でもディグダを狙った結果、逆にワシボンが捕まって地面に引き摺り込まれそうになった。それを助けようとしたサスケ君が、大ダメージを受けることになっちゃったよね。だからこれは、侑ちゃんの判断ミスだったんじゃないかな?」
リナ『確かに……。でも、それは結果論とも言える。相手もディグダの方に攻撃が来たのには驚いてたし、侑さんの行動に向こうが対応した結果、起こったことでしかないと思う』 || ╹ᇫ╹ ||
彼方「確かにそれはそうだね〜。だから、そういう行動を取ることがそもそも間違いだった、とまでは彼方ちゃんも言うつもりはないかな〜。問題は……その行動の動機かな」
リナ『動機?』 || ? _ ? ||
そう、問題は行動の動機だ。そして、これが今回のバトルに置いて侑ちゃんが最も反省しなくちゃいけない部分。
彼方「そこまでして歩夢ちゃんのポケモンに攻撃が行かないようにしてたのって──裏を返せば、歩夢ちゃんのことを信頼してなかったってことにならない?」
リナ『……なるほど』 || ╹ᇫ╹ ||
いかに歩夢ちゃんに負担を掛けないか、いかに歩夢ちゃんを戦いに参加させないか、それは初心者に対する侑ちゃんなりの気遣いだったのかもしれないけど……。結局、歩夢ちゃんを信頼していなかったということに他ならない。
彼方「そもそもマルチバトルで一番重要なのは、パートナーを信頼すること。その点、凛ちゃんと花陽ちゃんは息ぴったりだったよね」
花陽ちゃんが全体攻撃を選ぶ瞬間、凛ちゃんのポケモンは必ず防御姿勢を取るか、技の当たらない場所にいた。
花陽ちゃんは凛ちゃんが巻き添えを受けない行動を取ることを信頼していたし、凛ちゃんは花陽ちゃんがどうしたいかを汲み取って戦っていた。
彼方「そして侑ちゃんだけじゃなくて、歩夢ちゃんも……最終的に二人で攻めればいいところを一人で先走って、敗北の決定打になる行動をしちゃった。二人の戦いは本来マルチバトルで必要な信頼とは掛け離れてて、なんだか二人のトレーナーが一人ずつ戦ってるみたいだったよ」
リナ『つまり、結果はどうあれ、そもそもチームワークが不足していた』 ||  ̄ ᇫ  ̄ ||
彼方「そんな感じかなー」
そして、その侑ちゃんが歩夢ちゃんを信頼しきれていなかったという事実は、無意識な部分で歩夢ちゃんにも伝わってしまっていたんだと思う。
だからこそ、起こった衝突だと……少なくとも彼方ちゃんはそう感じた。
「──でも、息を合わせて戦うのって難しいんだよねー……」
そのとき、急に背後から声。
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