侑「ポケットモンスター虹ヶ咲!」
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366: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/14(月) 17:59:22.16 ID:wroKVd390

思わず呟いてしまう。本当に何にでもなれるなら、どれだけよかっただろうか。

何にでもなれると言っても、やっぱり向き不向きはある。

少なくとも私は、ポケモントレーナーには向いてないし。

ああ、ダメだ……考えないようにしてたのに……。

ネガティブな考えを打ち消すように、小さく頭を振りながら、メェークルの右乳から、左乳に手を移動させる。


歩夢「よいしょ……よいしょ……」
 「メェー」


ミルクが勢いよく出てきて、バケツにどんどん溜まっていく。

やっぱり……私にはこういうのんびりポケモンたちと触れ合ってすることの方が向いているんだと思う。

そんな中、


エマ「歩夢ちゃん、よく気付いたね……?」


エマさんが、突然そんなことを言った。


歩夢「え?」


なんのことだろうと逆に首を傾げてしまう。


エマ「今、右のお乳から、左のお乳に手を変えたでしょ?」

歩夢「えっと……さっきの子よりも、お乳の張り……? みたいなのが、左の方がよかったから……こっちの方がよく出るのかなって」


実際思ったとおりで、その方がミルクの出がよかったので、乳の状態で搾る方を選んでいる。


エマ「すごい! それに気付くのって、普通だったら何年も掛かるのに……言われる前に気付くなんて」

歩夢「そうなんですか……?」

エマ「というか、言われても違いがわからない人も多いんだよ! 歩夢ちゃん、本当に才能があるのかも!」

歩夢「そ、そうかな……えへへ」


私が照れながら笑っていると、


 「メェーー」「メェェ」


まだお乳を搾られていないメェークルたちが、「まだか?」と言いたげに鳴き声をあげながら、私に身を摺り寄せてくる。


歩夢「だ、だからぁ……順番だから待ってってばぁ……」


そして、それを見たサスケが、


 「シャボ」


負けじと頬ずりを、


 「ラビフ」


ラビフットも脚に抱き着くようにまとわりついてくる。


歩夢「う、動きづらい〜……」


気付けばポケモンたちにおしくらまんじゅうされているような状態になっていた。



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