侑「ポケットモンスター虹ヶ咲!」
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363: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/14(月) 17:37:40.24 ID:wroKVd390

1匹の貝のようなポケモンの姿。確か、このポケモンは……。


侑「パールル?」

リナ『パールル 2まいがいポケモン 高さ:0.4m 重さ:52.5kg
   頑丈な 殻に 守られて 一生の うちに 1個 だけ
   見事な 真珠を 作る。 本体が カラに 収まり
   切らなくなると 進化の 瞬間が 近付いた 証拠。』

侑「このパールルを……どうするんですか?」

 「パル…」


そう言っている間も、寄せては返す波に攫われるようにして、パールルが海の方へと移動していく。

水に潜ろうとしてるのかな……?


彼方「このパールルはね、彼方ちゃんにとって、自慢の防御力を誇る子なんだよ〜」

侑「まあ、確かに……見るからに硬そう」

彼方「それでね侑ちゃん。ジムバッジって持ってるかな?」

侑「え? はい……2つだけですけど」


ここまで集めてきた、ジムバッジ──“アンカーバッジ”と“スマイルバッジ”をケースから取り出す。


彼方「ちょっと貸してもらっていい?」

侑「はい」


言われたとおり彼方さんに手渡す。


彼方「おー、立派なバッジだ〜」

リナ『ポケモンジム公認バッジは特注製だから立派なのは当然だと思う。しかもすごく頑丈で、ポケモンの攻撃で壊れないように出来てるらしい』 || ╹ᇫ╹ ||

彼方「ほうほう〜。それなら、尚更安心だね〜」

遥「安心?」


遥ちゃんが彼方さんの言葉に首を傾げる。


侑「あの……そろそろいいですか……」


大切なジムバッジだ。ずっと人の手に預けたままだと、なんだか落ち着かない。

だけど、彼方さんはそれをぎゅっと手に握りこむ。


侑「彼方さん……?」

彼方「あのね、これから侑ちゃんに稽古を付けてあげるんだけど……そういうのって、漫然とやってても身にならないだと思うんだよね〜」

侑「は、はい……」

彼方「だから、いつだって危機感を持ってやる必要があるってこと」

侑「……危機感……ですか?」

彼方「そうそう〜。だから〜」


急に彼方さんが──バッジを握った手を振り被った。


侑「え!?」

彼方「とりゃ〜!!」


そして、そのまま海に向かって──バッジを投擲した。



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