侑「ポケットモンスター虹ヶ咲!」
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359: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/14(月) 17:22:04.42 ID:wroKVd390

エマ「ふふ♪ 表情も少し和らいだ気がするし、歩夢ちゃんがちょっとでも元気になってくれてよかった♪」


エマさんがニコニコと笑いながら言う。

本当に掛け値なしに優しい人だということがその笑顔から伝わってくる。


歩夢「あの、エマさん……すみません、お仕事中だったのに……」

エマ「うぅん、気にしないで。もう午前のお仕事は片付けて、ゆっくりお散歩してただけだったから」


私は今、エマさんに連れられて、コメコ牧場の休憩室で腰を落ち着けているところだった。

──私がエマさんの前で泣き出してしまってから、自分がどれくらい泣いていたのか、よくわからなくなるくらい泣いていた気がする。

涙も枯れてきた頃になって、エマさんに手を引かれて、気付けば牧場の休憩室にいた。

泣き疲れていて判断力が鈍っていたのかもしれないけど……まるで何の疑問も持たずに、お母さんに手を引かれている子供のときのような気分のまま、ここに来たと思う。


エマ「歩夢ちゃんのポケモンちゃんたちも、今回復中だから、すぐに元気になると思うよ」

歩夢「すみません……ありがとうございます」


傷ついたポケモンたちは牧場のミルタンクから“ミルクのみ”で回復させてもらっているところ。

ミルタンクのミルクは栄養満点だから、これを飲めばすぐに回復するそうだ。

ポケモンセンターに寄る余裕もなかったから、本当にエマさんには頭が上がらない。

そんなエマさんから、


エマ「それで……何があったのか、訊いてもいい……?」


そう訊ねられる。


歩夢「あ……えっと……」

エマ「もちろん言いたくなかったら言わなくてもいいんだけど……もしかしたら、わたしが力になれることかもしれないし!」

歩夢「…………」


こうして、優しく世話を焼いてくれているエマさんに、こんな情けない自分の話……聞かせていいのかな。

私は言うかを迷ったけど……逆に言うなら、助けてもらったのに何も事情を説明しないのも不義理だと思い、


歩夢「…………その……すごく、しょうもない……というか……情けない、話……というか……」


途切れ途切れに話し始める。


歩夢「……何から、話せばいいか……」

エマ「歩夢ちゃんのペースで大丈夫だよ。ここで、ちゃんと聞いてるから」

歩夢「…………私と一緒に旅をしていた侑ちゃんなんですけど……幼馴染なんです」

エマ「うん」

歩夢「産まれたときから……うぅん、産まれる前から侑ちゃんとは、ずっとお隣さんで──幼馴染でした」


両親は私たちが生まれる前からマンションの部屋がお隣で、病院でお母さんのお腹にいたときから私たちは隣同士。

侑ちゃんが少しだけ先に産まれて……そのあと、私が産まれた。

物心が付いた時には、侑ちゃんは当たり前のように隣にいたし。昨日も今日も……ずっと隣にいた。


歩夢「私も侑ちゃんも、小さい頃からポケモンが大好きで……私の家にはポケモンがたくさんいたから、よくポケモンたちと一緒に遊んでました。……ただ、私はポケモンと一緒にお話するのが好きだったんですけど……侑ちゃんはポケモンバトルを観るのが大好きな子でした」



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