358: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/14(月) 17:19:53.51 ID:wroKVd390
エマ「……大丈夫? 歩夢ちゃん?」
心配そうにエマさんが私の顔を覗き込んでいた。
歩夢「え、エマ……さん……」
エマ「泣いてるの? 何かあった?」
歩夢「ぁ……い、いえ……その……な、なんでもなくて……!」
エマさんに心配を掛けちゃいけないと思って、咄嗟に誤魔化そうとするが、
エマ「何か……辛いことがあったんだね……」
エマさんはそう言いながら、
エマ「……よしよし。頑張ったね」
私の頭を優しく撫でてくれた。
急に人の優しさに触れてしまったからだろうか、
歩夢「…………ぁ…………っ……」
頑張って引っ込めようとしていたはずの涙が、またポロポロと溢れ出してきた。
エマ「……ちゃんと傍にいてあげるから、今は泣いちゃっても大丈夫だよ」
歩夢「……っ……! ……ぅ……ぅぅ……えま、さん……っ……」
エマ「……うん。……大丈夫だよ、歩夢ちゃん」
歩夢「………………わた、し…………わたし……っ……!」
エマ「……ぎゅー」
エマさんに抱き寄せられて、ついに私は、小さい子供のように、泣きじゃくり始めてしまった。
歩夢「…………ぅ……っ……ひっく……っ……ぅぇぇぇぇ……っ……」
エマ「……よしよし」
エマさんは私が泣き止むまでずっと、ぎゅっと抱きしめたまま、頭や背中を撫でながら、優しく慰め続けてくれたのだった──
🎀 🎀 🎀
エマ「はい、歩夢ちゃん。温めた“モーモーミルク”だよ♪」
歩夢「……ありがとうございます」
銀色のカップを傾けてミルクを飲むと、自然な甘味が口の中を満たしてくれる。
エマ「温かいものを飲むと、不思議と気持ちが落ち着かない?」
歩夢「……はい」
エマさんの言うとおり、温かい液体が身体に優しく染み渡っていき、気分が落ち着いていく気がした。
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