357: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/14(月) 17:18:53.83 ID:wroKVd390
🎀 🎀 🎀
──あれからどれだけ、一人で泣いていただろうか。
歩夢「…………」
無我夢中で走ってきて、気付けば町の外れだった。
泣きすぎたせいか、頭が痛い。
歩夢「……私……どうしよう……」
本当は、あんなことを言いたかったわけじゃないはずだったのに。
頭の中がぐしゃぐしゃになって、侑ちゃんに酷いことを言ってしまった。
歩夢「……どうしよう……サスケ」
思わず、いつも自分の肩に乗っているサスケに訊ねるけど、
歩夢「……あ」
サスケは先ほどのジム戦でボロボロになってしまい、今はモンスターボールの中でお休みしていることを思い出す。
歩夢「……私……サスケも……ラビフットも……回復してあげてない……」
私のために精一杯戦ってくれたのに。
自分のことで頭がいっぱいで、労いの一つもしてあげていない。
歩夢「……ポケモントレーナー……失格、だよ……っ……」
今の自分が、情けなさ過ぎて、また涙が溢れてきた。
歩夢「…………ぅ……っ……ひっく……っ……」
泣いてちゃダメだって、思うのに。涙が止まらない。
やっと自分に自信が持てるかもしれないと思ったのに……今は、自信なんて、一欠片も残っていない気がした。
いくら泣いても、いつも私を支えてくれるポケモンたちは、みんな倒れてしまった。私のせいで。
そして──いつもみたいに優しく慰めてくれる侑ちゃんも……いない。私のせいで。
心がどんどん泥沼にはまっていくようで、寂しさと悲しさ……そして悔しさが、どんどん自分の中で膨れ上がっていく。
歩夢「………………ゅぅ……ちゃん…………っ……」
消え入りそうな声で、また侑ちゃんの名前を呼んでしまった。
そのとき、
「──……どうしたの?」
声を掛けられた。
歩夢「……え」
びっくりして、顔を上げると──
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