355: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/14(月) 17:16:43.49 ID:wroKVd390
リナ『侑さん……大丈夫?』 || 𝅝• _ • ||
侑「……ごめん、あんまり大丈夫じゃないかも」
彼方「はい、侑ちゃん、エネココアだよ。甘い物を飲むと気持ちが少し落ち着くと思うから。彼方ちゃんの奢りだよ〜」
彼方さんが、机に突っ伏して落ち込んでいる私の前に、エネココアの入ったカップを置く。
侑「ありがとうございます……」
とりあえず、口を付ける。……甘くて温かい液体が体の中にゆっくりと落ちていくのがわかる。
彼方「落ち着いた?」
侑「……多少は」
腰を落ち着けてみて、さっきの自分は確かに少し頭に血が上っていたかもしれないと思う。
とは言うものの、
侑「……なんて言えばよかったんだろう……」
そんなことがずっと頭の中をぐるぐるしている。
彼方「そうだねぇ……難しいけど、ちょっと歩夢ちゃんに気を遣い過ぎちゃったのが却ってよくなかったのかもね〜」
遥「私も……歩夢さんの立場だったら、怒ってくれた方がって思っちゃうかもしれません……」
侑「……。……でも、歩夢だけのせいじゃないですし」
彼方「歩夢ちゃん、初めてのことが多すぎて、心がびっくりしちゃったのもかもしれないね〜……だから少しの間、ゆっくり考える時間をあげた方がいいんじゃないかなって彼方ちゃんは思うよ〜」
侑「……はい」
彼方「今はゆっくり歩夢ちゃんのことを待つときだよ。その間は彼方ちゃんと遥ちゃんが、侑ちゃんのお話し相手になってあげるから〜」
侑「それは、ありがたいですけど……。いいんですか……?」
チャンピオンたちと行動を共にしているわけだし、何かと忙しいんじゃないかと思ったけど、私の心配に対して彼方さんは、
彼方「大丈夫大丈夫〜、基本は暇だからね〜。コメコシティから出なければ問題ないよ〜」
とのこと。……本当に何をしている人なんだろう?
会ったのは昨日の今日だから、よくわからないのはある意味当然かもしれないけど……改めて考えてみると、彼方さんは謎の多い人だ。
ふわふわしている人だと思いきや、バトルの腕は相当──何せ、あの千歌さんにポケモンの使い方を指南したことがあるらしいし。
穂乃果さん曰く、言えないこともいろいろあるらしいけど……。
彼方「侑ちゃんは、なにか彼方ちゃんとお話ししたいこと、あるかな〜?」
侑「え、えーっと……」
遥「お姉ちゃん……そんなこといきなり言われても侑さん困っちゃうよ……」
遥ちゃんの言うとおり、突然話題がないかと言われてもちょっと困る。……というか──先ほどのジム戦のことで頭がいっぱいで、雑談するという気分でもなかった。
とにかく、歩夢が今どうしているかが気になる。心配だし、出来れば今すぐ歩夢を探しに行きたい気持ちでいっぱいだけど……彼方さんの言うとおり、今歩夢を探しに行っても同じことの繰り返しな気はする。
……歩夢を探すこと以外で、するんだとしたら……。
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