354: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/14(月) 17:15:18.14 ID:wroKVd390
■Chapter017 『すれ違い』 【SIDE Yu】
──気付けば、私の肩を掴む彼方さんの姿。彼方さんの後ろには、遥ちゃんの姿もある。
侑「追いかけるなって言うんですか……!?」
彼方「だって、今追いかけても、またさっきみたいに言い合いになっちゃうでしょ?」
侑「そ、それは……」
彼方「それに、リナちゃんも困ってるよ?」
リナ『……ごめんなさい。何言えばいいかわからなくて……』 || > _ <𝅝||
侑「あ……ご、ごめん……」
私たちが目の前で言い合いを始めてしまったから、リナちゃんを困らせてしまっていたらしい。
彼方「実は彼方ちゃんたち、こっそりジム戦を覗いてたんだよね〜。ジム戦が終わって外に出てきたと思ったら、急に二人がケンカを始めて、彼方ちゃんびっくりしちゃったよ〜……」
侑「それはその……ごめんなさい。……でも私……やっぱり、歩夢を追いかけないと……」
遥「あの、侑さん……余計なお世話かもしれませんが……私も、今はそっとしておいてあげた方がいいんじゃないかと思います……」
侑「遥ちゃんまで……」
遥「私も……お姉ちゃんに守られてばっかりだから、歩夢さんの気持ち……ちょっと、わかる気がします」
侑「…………」
彼方「歩夢ちゃんもいろんなことがあって、頭の中がこんがらがっちゃってるんだと思うよ〜。気持ちを整理する時間が必要だろうし、今はそっとしておいてあげた方がいいよ」
侑「…………」
彼方「それにさ、とりあえず、ジム戦で傷ついたポケモンたちを回復させてあげた方がいいんじゃないかな?」
侑「あ……」
歩夢とのことで頭がいっぱいで、ポケモンたちのことまで考えが至っていなかった。
私のために戦って傷ついたポケモンをないがしろにしているなんて……私も少し頭を冷やした方がいいのかもしれない。
侑「わかりました……」
彼方「それじゃ、一旦ポケモンセンターにレッツゴーだね〜♪」
🎹 🎹 🎹
──ポケモンたちをジョーイさんに預けて、今はポケモンセンターのレストスペース。
侑「…………」
──『なんで怒ってもくれないの……っ!? 初心者だからっ!? 失敗してもしょうがないから……っ!? 怒ったら、私が可哀想だから……っ!?』
──『私……侑ちゃんの足……引っ張ってる……』
──『…………こんな私じゃ……侑ちゃんと一緒に、旅……出来ないよ……っ……』
侑「……はぁ」
生まれたときから幼馴染の歩夢。ケンカすることはたまにあったけど……あんなことを言われたのは初めてだった。
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