346: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/13(日) 12:47:44.22 ID:CEy3tu000
ヒバニーを追いかけて走り回るオコリザルの進路を予測して、イーブイが尻尾を振ると──大きな蔦状の樹がにょきにょきと生えてきて、そこから大きなタネをフィールドに落とし始める。
凛「わわ!? その技何にゃ!? “かわらわり”!!」
「ムーーキィィィィィ!!!!」
自分に向かって落下してくるタネをオコリザルがチョップで叩き割ると──中から“やどりぎのタネ”の蔦が飛び出してきて、オコリザルの腕に絡みつく。
「ムーーーキィィィィィ!!!!」
凛「わぁ!? ホントになんなのその技ー!?」
オコリザルが蔦を払うために、ヒバニーから意識を逸らす。
侑「歩夢! 今のうちに!」
歩夢「うん! ヒバニー!!」
「ヒーーーバニーーー!!!!!」
歩夢の掛け声と共に、ヒバニーがさらに加速して、一気にトップスピードに突入する。
そのまま、一直線にドロバンコの方へ迫っていく。
歩夢「さっきからワシボンの攻撃を受けるとき、あのドロバンコ……少しだけ頭を振りながら、攻撃をいなしてた」
侑「え? そ、そうだった?」
全く気付かなかったけど……。
歩夢「たぶん……頭に攻撃を当てられたくない場所があるんだ」
侑「……」
こういうときの歩夢のポケモンに対する観察力は、私の理解を遥かに超えている。
ここは歩夢に任せよう。
「ヒーーーバニニニニニニ!!!!!!」
歩夢「──きっと、急所は正中線!! 額の真ん中!!」
花陽「! ドロバンコ!! “てっぺき”!!」
「ンバコーーー」
身を固めて、防御姿勢を取るドロバンコの前で、ヒバニーはスピードを乗せたまま、踏み切って──跳躍した。
走り回った熱で、メラメラと足に炎を滾らせながら、
歩夢「“ブレイズキック”!!!」
「ヒーーーバニーーーー!!!!!!」
燃える蹴撃をドロバンコの額のど真ん中に炸裂させた。でも、
歩夢「…………」
侑「……っ……。だ、ダメだ……」
ドロバンコは倒れてくれない。
侑「……くっ……どうにか次の策を……」
歩夢「うぅん。大丈夫」
侑「え?」
「ン、バコォ…」
少しのタイムラグのあと、ゆっくりとドロバンコは横向きに倒れたのだった。
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