侑「ポケットモンスター虹ヶ咲!」
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33: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/10/30(日) 15:51:16.65 ID:QLy5TvuG0

ミミロル、めちゃくちゃ警戒してる……ど、どうしよう……。

小柄で可愛らしいポケモンだったから、素手でも平気だと思ったんだけど……やっぱりポケモンのパワーはとんでもないことを思い知らされた。


歩夢「…………私が行くね」

侑「え!?」


突然、歩夢が一人で前に出る。


侑「あ、歩夢!! 危ないよ!!」

歩夢「…………大丈夫、私に任せて」

侑「あ、歩夢……」

歩夢「ミミロル。ごめんね、怖がらせて」

 「ロルッ…!!!!!!」


ミミロルは依然警戒していて、歩夢のことを威嚇している。


歩夢「ごめんね、研究所で静かに暮らしてたのに……急に大きな音がして、怖かったんだよね」

 「ロルゥゥゥッ!!!!!!!」

歩夢「あそこにいたら危ないって思って、逃げて来たんだよね……ごめんね、怖い思いさせて……」

 「ロ、ロルゥ…!!!」

歩夢「だけど、お外には野生のポケモンもいて、もっと危ないの……だから、一緒に研究所に帰ろう?」

 「ロ、ロル…!!!」

歩夢「大丈夫、怖くないよ」


歩夢は言いながら、ミミロルに手を伸ばす。

ミミロルの──耳に。


侑「!! だ、ダメ!! 歩夢ッ!!」


さっき殴られたからわかる。ミミロルは耳を触られると反射的に殴り返してくる……!!

私は跳ねるように立ち上がって、歩夢の方へダッシュしたけど──


歩夢「よしよし……良い子だね」
 「ロルゥ…」

侑「……って……へ?」


ミミロルは歩夢に“右耳”を撫でられて、気持ちよさそうにしているだけだった。


侑「な、なんで……?」


さっきとあまりに違う状況に事態が飲み込めず、ポカンとする。


歩夢「あのね、この子の耳なんだけど……」

侑「……?」

歩夢「右耳は綺麗な毛並みなのに対して、左耳は何度も打ちつけたように荒れてるなって思って」

侑「え?」


歩夢に言われて、ミミロルをよく見てみると──確かにミミロルの耳は左右で毛並みが全然違っている。



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