31: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/10/30(日) 15:48:45.54 ID:QLy5TvuG0
侑「どうしたの? 話、聞くよ?」
歩夢「……えっと、ね」
侑「うん」
歩夢「……こうなっちゃった原因……私にもあるのかなって……」
侑「え?」
私はポカンとしてしまった。歩夢にも原因があるって……?
歩夢「ほら、博士のドンカラスがゾロアを捕まえたとき……私、泣いてるゾロアが見てられなくって……」
そこまで聞いて、歩夢が何を思い悩んでいるのかはわかった。歩夢らしいと言えば歩夢らしいかな……。
歩夢「……私があのとき“うそなき”だって、ちゃんと気付けてれば……博士を止めてなければ……あそこまでゾロアが大暴れして、研究所があんなことになったりしなかったんじゃないかなって……」
侑「考えすぎだよ」
歩夢「で、でも……!」
侑「確かに歩夢は素直すぎて、ああいう嘘が見抜けないところがあるのは知ってるよ、昔から」
歩夢「ぅぅ……」
侑「でも、それは歩夢が優しいからであって、悪い部分じゃないよ」
歩夢「……侑ちゃん……でも……」
侑「だから、歩夢はそのままの歩夢でいて欲しいな。歩夢が打算的になっちゃったら、私ちょっとやだな……ね、サスケもそう思うでしょ?」
「シャー」
歩夢「きゃっ……サ、サスケ、くすぐったいよ……」
私の言葉を受けて、サスケは歩夢の頬をチロチロと舐める。そして、そんなサスケ同様、
「バニバニッ」
ヒバニーも歩夢の頭の上でぴょこぴょこと跳ねる。
歩夢「わわ……! 頭の上で跳ねないで〜……」
侑「ほら、サスケもヒバニーも、今の優しい歩夢でいて欲しいって言ってるよ」
歩夢「……うん」
侑「だから、自分が悪かったなんて思わないで欲しいな」
歩夢「侑ちゃん……うん」
侑「それにもし今後、歩夢を騙したり、歩夢に酷いことする人が現れたら……」
歩夢「現れたら……?」
侑「私が絶対、歩夢のこと守るからさ!」
歩夢「……!」
歩夢は私の言葉を聞いて、びっくりしたように目を見開いた。
歩夢「ホントに……?」
侑「もちろん! 何かあったら守るし、助けるよ! 約束する!」
歩夢「……そ、そっか……えへへ、ありがとう、侑ちゃん……」
歩夢は少し頬を赤らめながら、嬉しそうにはにかむ。ち、ちょっとかっこつけすぎたかな……?
いや、でも何かあったら歩夢のことは私が守る! それは本心!
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