305: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/12(土) 12:57:34.89 ID:Cfp9Tcx10
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程なくして、ウチウラジムへと到着した私たち。
かすみ「よ、よし……! 行くよ、しず子!」
かすみさんはジムのドアの前で緊張気味に手を掛けた、そのときだった──ドアの方が自分から開いた。
そして、中から二つの人影。
「それでは、わたくしは行きますから。頑張るのですよ、ルビィ」
「う、うん!」
長い黒髪を携えた女性と、幼さを残す顔立ちの赤髪の女の子。一目見てピンと来る──まあ、ポケモンジムだし、誰が見ても関係者だってことはわかると思うけど……。
しずく「ダイヤさん、ルビィさん……ですよね?」
ダイヤ「あら……? すみません、扉の前に人がいるとは気付きませんでしたわ。いかにも、わたくしはダイヤですが」
ルビィ「る、ルビィです!」
ダイヤさんとルビィさんは姉妹でポケモントレーナーだ。このジムは代々彼女たちの一族がジムリーダーを務めているというのも有名な話だし、何度も彼女たちの姿は書籍などで拝見したことがある。
かすみ「あ、あの……!」
かすみさんは突然現れた姉妹の姿にやや面食らいながらも、
かすみ「た、たのもぉー!!」
少し気の抜ける、挑戦文句を目の前のジムリーダーに叩きつける。
ルビィ「ピギィ……!?」
突然大きな声を出されて驚いたのか、ルビィさんが驚きながら小さく跳ねる。
ダイヤ「あら、挑戦者の方でしたのね」
かすみ「はい!! ジム戦、お願いします!」
ルビィ「あ、あの……ごめんなさい……。ジム戦、実は今出来なくて……」
かすみ「……え?」
ルビィ「ジムの中がまだ改装中で……」
そう言いながら、ルビィさんの後ろにあるジム内へと目をやると──確かに、フィールドのあちこちに機材やらが置いてあったり、まさに改装の真っ最中という感じだった。
かすみ「そ、そんな……かすみん、またジム戦出来ないんですか……」
ルビィ「近いうちに終わるとは思うんだけど……」
かすみ「……あ、あんまりですぅ……」
かすみさんは心底悲しそうに項垂れる。
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