301: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/11(金) 16:20:23.76 ID:xkYIlSIn0
しずく「あのね、怒るのって実はすっごく難しいことなんだよ?」
「スボ…?」
しずく「私ね、怒りの演技って苦手なんだ。喜怒哀楽の中で……一番苦手かもしれない。でも、きっと怒りって人にとっても、ポケモンにとっても、大事な感情の一つだと思うんだ」
「スボ…」
しずく「それを自然に出せるのは、スボミーの個性だよ」
「スボォ…」
しずく「ふふ、大丈夫。私の手持ちは陽気な子だったり」
「ピィィー♪」
しずく「真似してばっかりの子だったり」
「マネネ♪」
しずく「泣き虫な子だったり」
「メソ…」
しずく「みんな個性的な子ばっかりだから。1匹くらい、怒りんぼな子が居ても大丈夫だよ♪ むしろ、私の演技の幅を広げるためにも、私の傍で怒って見せて?」
そう伝えたら、
「…ス、スボォ…スボォォォ…」
スボミーは大粒の涙を流しながら、泣き始めてしまった。
しずく「……って、これじゃ泣き虫が増えちゃったみたいですね。ふふ♪」
「スボォォ……スボォォォォォ……」
しずく「スボミー、一緒に行こう」
「スボォ……」
泣きながらも、スボミーは私の言葉に頷いてくれた。
「…そういえば、マリーも昔はボクのこと…」
しずく「え?」
「…い、いや、なんでもないロト」
しずく「……そうですか?」
こうして、ホシゾラシティで暴れまわるスボミーを仲間に加えるということで事態は一件落着。
私は泣きじゃくるスボミーを抱きかかえたまま、かすみさんたちのいるポケモンセンターへと戻るために、歩き出したのだった。
💧 💧 💧
かすみ「それじゃ、スボミーはしず子がゲットしたんだね」
──ポケモンセンターに戻ると、かすみさんはすっかり元気になっていた。
そして、説明をした。
このスボミーはもともと気性が荒くて群れから追い出されてしまったこと。
町にも森にも居場所がなかったスボミーを、連れていくと決めたこと。
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