300: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/11(金) 16:19:10.88 ID:xkYIlSIn0
それが例え周りと違っても。
しずく「周りのスボミーには、貴方の勇敢さは恐ろしいモノに映ったのかもしれません。でも、私はそうは思いません」
「スボ…」
しずく「周りの仲間が怖がっていると気付いていても……守らなきゃいけないと思って、前に立ち続けた。違いますか?」
「…スボ」
スボミーが小さく頷く。
しずく「貴方はみんなの為に、自分の為に、嫌われてでも、自分を貫いた。それは、誇らしいことですよ」
「スボ…」
しずく「少なくとも……私には出来なかった……」
「スボ…?」
──私は小さい頃から、親の趣味で古い映画や小説に囲まれて育った。
そのせいか、幼い頃は周りの友人たちと好きなものや価値観が噛み合わずに……孤立しかけた。
だから、私は自分を隠そうとした。自分の好きなモノを口にせず、みんなが好きなモノが好きな振りをするようになった。
……自分を出すのが……怖くなった。
自分であり続けることが……出来なくなった。
しずく「……ねぇ、スボミー」
「スボ…?」
でも、そんな私を変えてくれた人が居た。
──『かすみんは自分の好きを貫くって決めてるんだもん!』
──『だから、しず子も自分の好きを貫けばいいんだよ!』
私は、自信満々にそんなことを言うあの子に──かすみさんに憧れた。
そんな彼女に近付けるように。私も心の底から、自分の好きを貫けるようになるために。
しずく「私は……ありのままの貴方を受け止めるから、一緒に旅をしませんか?」
「ス…ボ…」
ずっと吊り上がっていたスボミーの目尻が下がり──じわっと目の端に涙が浮かんだ。
「スボ…スボボ、スボ…」
「…でも、自分は怒りっぽいから、迷惑を掛けるって言ってるロト」
しずく「迷惑なんかじゃないよ」
私はスボミーを抱きしめる。
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