299: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/11(金) 16:18:09.80 ID:xkYIlSIn0
「加えて…元から少し気性が荒い性格みたいロト」
しずく「まあ、それは……そうかもしれませんね」
「群れに襲い掛かってくる敵もこのスボミーが倒していたらしいロト」
しずく「みんなのリーダーみたいな存在だったということですね」
「その結果…群れから追い出されたらしいロト。どうりで、何度森に還しても、また戻ってくるわけロト」
しずく「……え?」
「群れを追い出されて町まで来たら…野生のポケモンが入り込んだと大騒ぎになって、咄嗟に花粉をばら撒いて反撃したら引っ込みが付かなくなって──」
しずく「ま、待ってください!」
「ロト?」
しずく「どうして、群れを追い出されたんですか!? 話が繋がっていないじゃないですか!」
「しずくちゃん、スボミーはどんなポケモンか、自分で言ってたじゃないロトか」
しずく「え……?」
「スボミーは小さな物音でも隠れてしまうくらい臆病で、身を寄せ合って温厚に暮らしているロト」
しずく「……はい」
「基本的にスボミーは戦いを好まないロト。せいぜい花粉をばら撒いて逃げるくらいロト」
しずく「…………」
少しだけど……意味がわかってきた。
しずく「じゃあ、スボミーたちは……積極的に戦って自分たちを守ってくれるこのスボミーが……怖くなってしまったということですか……?」
「簡単に言うと、そういうことロト」
しずく「そんな……」
スボミーは仲間を守っていただけなのに……?
しずく「そんな……そんなの酷すぎます……」
「ポケモンにはポケモンごとの生存戦略があるロト」
しずく「え……?」
「スボミーの生存戦略は逃げることロト。でも、こいつは戦いを選んだ。異分子だったロト」
しずく「…………」
「普通のポケモンの群れは、自分たちと違う考えや行動をするやつは怖いと考えるロト。人間と同じロト」
しずく「……!」
──『しずくちゃんの見てる映画、むずかしくてよくわかんない』
──『しずくちゃんっていっつも字がたくさんの本ばっかりよんでるねー?』
──『しずくちゃんへんなのー』
しずく「…………」
「群れで生きるなら、合わせる必要はあるロト」
「スボ…」
しずく「……違います」
「ロト?」
しずく「スボミーは自分らしくあるために、自分であるために、自分の考えを貫いて、仲間を守った。それだけです」
「スボ…?」
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