295: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/11(金) 16:14:45.87 ID:xkYIlSIn0
「か、身体が痺れ……」
「う、動けな……」
“しびれごな”をモロに吸い込んでしまったであろう、町人たちの声。
しずく「……っ……ココガラ、“きりばらい”!」
「ピィィィ!!!」
とにかく、花粉が充満したままでは危険だと判断し、ココガラの風で吹きとばす。
視界が晴れると共に、開けた視界の先には──大の大人が数人地面に横たわっている姿と、
「スボーーーー!!!!」
網の中で怒りを露わにしている、スボミーの姿。
「言わんこっちゃないロト」
しずく「動ける人は負傷者を連れて、今すぐここから退避してください!!」
町人「なんだ、君は……!!」
町人2「せっかく、ここまで追い詰めたのに、あきらめろって言うのか!?」
しずく「だから、このまま、ここに居ちゃ危ないんです!!」
町人3「危ないのは百も承知だ!!」
町人4「よそ者は黙っててくれ!!」
しずく「……っ……」
もうすでに負傷者が出ているというのに、まるで聞く耳を持ってくれない。
私の言葉じゃ、感情的になったこの人たちを抑えきれない……そう思ったそのとき──ピシャーーーーンッ!! と轟音を立てながら、一筋の稲妻が迸った。
しずく「……!?」
町人「な、なん……!?」
あまりに突然のことに、驚き唖然とする町人たち。
今のって……。
「全く追い詰められてないし、邪魔だから怪我人連れて下がれって言ってるロト」
しずく「ロトム……」
ロトムの“かみなり”だった。
音と光に驚いた大人たちが、静寂に包まれた今なら……!
しずく「私はポケモンを持っています!! トレーナーです!! この問題、私が今日この場で解決するとお約束します!! ですから、皆さんは負傷者を連れて、今すぐ退避してください!!」
そう声を張りあげると、
町人「……て、撤退しよう……! 動けるやつは負傷者に肩を貸してくれ……!」
雷鳴に驚いた拍子に少し冷静になったのか、大人たちは負傷者を連れて退避を始めた。
「…これだから人間は…ロト」
しずく「ロトム……ありがとうございます」
「ボクは話を聞かないやつが嫌いなだけロト」
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