296: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/11(金) 16:15:44.70 ID:xkYIlSIn0
ロトムは不機嫌そうに言う。今まで協力的な姿勢を見せていなかったので、こうして手を貸してくれたのは意外ではあったものの……彼にも何か思うところがあったのかもしれない。
周囲から大人たちが逃げ出す中、網を覆いかぶせられたスボミーは──
「スボッ!!!」
──ヒュンッと風を切る音を立てながら、“はっぱカッター”で網を切り裂いているところだった。
「まったくあんなちんけな網でよく捕まえられると思ったロトね」
しずく「やはり、虫取り網で捕まえるのは難しかったみたいですね……」
「それにしても、解決を約束するって確信でもあるロト?」
しずく「ああ言うのが、最も効果的だと思っただけです」
「しずくちゃん、女優ロトね」
しずく「まだ女優志望ですけどね」
さて、これ以上無駄口を叩いている暇はない。
「スボーーーッ!!!!」
お怒りのスボミーを中心に草の嵐が渦を巻きながら、こちらに飛んでくる。
しずく「“リーフストーム”……! マネネ!!」
「マネッ!!!」
しずく「“ひかりのかべ”!!」
「マネーッ!!!」
前に飛び出したマネネが壁を張って“リーフストーム”を防御する。
吹き荒ぶ草の嵐が、“ひかりのかべ”にぶち当たり、大きな音を立てる。
しずく「く……! さすがに大技だけあって、威力がありますね……!」
「マ、ネネェ…!!」
「スボーーー!!!!」
スボミーの“リーフストーム”がなかなか止まない。
恐らく、攻撃を放ち続けているということだ。
「マ、ネネェッ!!!」
しずく「マネネ! 頑張って……!」
“リーフストーム”は大技だ。なら──そろそろ仕掛けた技の効力が活きてくるはず。
「ス…ボッ!?」
急に、“リーフストーム”が勢いを失って不発し、スボミーが困惑した表情になる。
「…“うらみ”ロトね」
しずく「はい。ココガラの“うらみ”でパワーポイントを削らせてもらいました」
「ピピィ〜!!」
“うらみ”は直前に相手が使った技のPPを削る技だ。
ただでさえ大技でPPの少ない“リーフストーム”は、PPを削られたらすぐに使えなくなってしまって当然ということ。
「スゥボォォォ!!!!」
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