277: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/10(木) 11:58:52.99 ID:IGCv6YWI0
🎹 🎹 🎹
リナちゃんの案内に従いながら森の中を進み、件のロッジに辿り着いたのはもうすっかり日も暮れた頃だった。
歩夢「あ、侑ちゃん! あれじゃないかな?」
侑「ホントだ! ライボルト、もう“フラッシュ”やめても大丈夫だよ。ありがとう」
「ライボ…」
暗がりを照らしてくれていたライボルトをボールに戻し、窓から明かりの漏れるロッジに歩を進める。
確かにエマさんの言うとおり、すでに先客がいることを示す灯りだ。
私がノックをしようと、手を上げたそのときだった。
「──いってきま〜す!!」
元気な声とともに、扉が勢いよく開かれたのだ。
侑「うわっとと……!!」
飛び退くようにして、開く扉を回避する。
「わっ!? ご、ごめんね! 人がいるなんて思わなくって……!!」
侑「い、いえ、だいじょ、う……ぶ……?」
目の前で慌て気味に謝罪をする人の顔を見て、私は固まってしまった。
歩夢「……え……!?」
同じように歩夢も目を丸くしているであろうことがわかる、驚きの声が聞こえてくる。
「あ、あの……大丈夫? やっぱり、怪我させちゃったかな……?」
心配そうに私の顔を覗き込んでくるけど……でも、私は固まったまま動けなかった。
何故なら──目の前にいた人は、
千歌「……ど、どうしよう……全然反応がない……。とりあえず、中に入る……?」
オトノキ地方・現チャンピオン──千歌さんその人だったからだ。
🎹 🎹 🎹
千歌「彼方さ〜ん! 遥ちゃ〜ん! ちょっと来て〜!」
「な〜に〜?」
「千歌さん……? どうかしたんですか?」
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