273: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/10(木) 11:53:51.74 ID:IGCv6YWI0
歩夢に言われて、パルスワンの尻尾を見てみると──確かにふりふりと振りながらお座りをしていた。
侑「……どういうこと……?」
私がその様子に首を傾げていると、
エマ「パルスワンが警戒を解いたちゃった……? ……あっ! もしかして……!」
エマさんが、何か思い当たる節があったのか、先ほどの茂みの方に向かって突然駆け出した。
侑「え、エマさん!?」
エマ「もしかして、そこにいるの……! 果林ちゃん!?」
エマさんがそう呼びかけると──
「──……もしかして……エマ……?」
人の声が返ってきた。
そして、その声と共に茂みの奥から、ガサガサと長身のお姉さんが姿を現した。
エマ「やっぱり……!」
果林「エマぁ……助けてぇ……さっきから、ずっとコメコシティに向かっているはずなのに、同じところに辿り着いちゃうの……」
エマ「もう……なんで、“そらをとぶ”を使わずに森の中を歩いてきちゃうの……?」
果林「今日は大丈夫な気がしたのよ……」
どうやら、先ほどからの物音は、あの人が原因だったらしい。……というか、
侑「あの人って……もしかして……!」
歩夢「……う、うん」
侑「スーパーモデルの果林さん!?」
私が大きな声をあげると、
果林「……!?」
果林さんは一瞬ビクッとしたあと、こちらに視線を向けてくる。
エマ「果林ちゃん?」
果林「…………」
エマさんに泣きつくような姿勢だった果林さんは、急に背筋を伸ばし、
果林「……あ、あら、貴方たち、もしかして私のこと知っているの?」
動揺を隠しきれない様子のまま、綺麗な笑顔を作って微笑みかけてくる。
侑「え、あ、はい……」
リナ『全然、取り繕えてない』 ||  ̄ ᇫ  ̄ ||
歩夢「あ、あはは……」
果林「………………っ……///」
リナちゃんの指摘に果林さんの顔がカァーっと赤くなるのがわかった。
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