272: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/10(木) 11:52:44.93 ID:IGCv6YWI0
侑「どうしたの?」
リナ『何か、いる』 || ╹ _ ╹ ||
侑「え……?」
歩夢「何かって……」
二人で顔を上げて、周囲を見回しながら、聞き耳を立てる。
エマ「……くぅ……くぅ……zzz」
可愛らしく寝息を立てるエマさんの他に──ガサガサと、茂みの奥の方から、草をかき分けるような音がしていることに気付く。
侑「……歩夢、下がって」
歩夢「ポ、ポケモンじゃないかな……?」
リナ『うぅん、あそこにいるのは、ポケモンじゃない』 || ╹ᇫ╹ ||
リナちゃんはポケモン図鑑だ。リナちゃんがポケモンじゃないと言うなら、間違いなくポケモンではない。
歩夢を背に庇うようにしながら、近くで眠っているエマさんの肩を揺する。
侑「エマさん、起きてください」
エマ「……んぅ……? ……どうしたの……?」
眠そうに目をこすりながら、身を起こすエマさん。
侑「何かが……います」
エマ「え……?」
私の言葉を聞くと、すぐにエマさんも音の源の方に視線を送る。
──ガサ……ガサ……。未だに鳴り続けている、茂みの音を聞いて、
エマ「ポケモンさん……じゃないね」
そう言いながら、腰のボールに手を伸ばしたのがわかった。
どうやらエマさんには、音を聞けばポケモンの出している物音ではないことがわかるらしい。
エマ「出てきて、パルスワン」
「──ワンッ」
エマさんが、ボールから犬ポケモンを繰り出す。
エマ「この子は普段、牧羊犬のお仕事をしている子で、外敵が近付いてくるのに敏感なんだよ。パルスワン、茂みの向こう……Vai!」
「ワンッ!!!」
エマさんの指示と共に、パルスワンが茂みの方に向かって走り出した──と思ったら、
「…クゥーン」
パルスワンは茂みの手前で、足を止めてしまった。
エマ「あ、あれ……?」
侑「止まった……?」
歩夢「……パルスワン、尻尾振ってる」
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