271: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/10(木) 11:50:14.17 ID:IGCv6YWI0
話をするなら、今だと思った。
侑「歩夢、ごめん」
歩夢「? 突然どうしたの?」
侑「歩夢に……すっごく怖い思いさせたんだって、やっと気付いた」
歩夢「侑ちゃん……」
侑「私、せつ菜ちゃんに褒められたり、ジム戦が順調だったから……今回もどうにかなるって、調子に乗ってたところ……あったと思う」
歩夢「そ、そんなことないよ……!」
侑「ラクライの電撃を受けたとき、私の横をラクライたちがすり抜けていって……歩夢に飛び掛かって行った瞬間、本当に肝が冷えた。愛ちゃんが助けに来てくれなかったらって思うと……あのとき、歩夢怖かったよね。ごめん」
歩夢「侑、ちゃん……」
侑「私の方がバトルに慣れてるんだから……私はなんとしてでも歩夢を守ってあげるべきだったんだ。そのせいで、歩夢に怖い思いさせて……」
歩夢「…………」
歩夢は何か言いたげだったけど、私は言葉を続ける。
侑「だから、もう歩夢に怖い思いさせないためにも、私はもっともっと強くなるよ。強くなって、歩夢を守る」
歩夢「……!」
侑「歩夢にとって、この旅が怖い思い出にならないように……! 私が全力で守るから!」
そう誓って、歩夢の手を自らの両の手でぎゅっと握りしめた。
歩夢「ゆ、侑ちゃん……///」
侑「だから、もう怖がらないで大丈夫だよ。私が傍にいるから」
歩夢「……うん///」
歩夢は顔を赤くして、小さくもごもごと口を動かす。
歩夢「──本当はそういう理由じゃないんだけど……」
侑「え?」
歩夢「うぅん! なんでもない♪ 侑ちゃんが守ってくれるなら……もう怖くないよ、えへへ♪」
侑「そっか、よかった」
歩夢が幸せそうに笑う姿を見て、私は安堵した。
これでやっといつもどおりだ。
歩夢「……えへへ///」
歩夢は頬を赤く染めたまま、私の手をぎゅっと握り返してきた。
なんだか、昔に戻ったみたいだった。
子供の頃から、お互い気持ちがすれ違ってしまったときは、こうして手を握り合って、気持ちを伝え合って仲直り。それを何度もしてきた。
旅の中慌ただしくて、タイミングを計り損ねていたけど……こうして、気持ちを落ち着けられる場所に連れてきてくれたエマさんには感謝しないと。
二人でぎゅっとお互いの手を握りしめたままでいると、
リナ『侑さん、歩夢さん』 || ╹ᇫ╹ ||
歩夢「きゃっ!?///」
急にリナちゃんが私たちの目の前に下りてきた。
それに驚いたのか、歩夢がパッと手を離す。
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