侑「ポケットモンスター虹ヶ咲!」
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262: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/10(木) 11:39:35.86 ID:IGCv6YWI0

歩夢「は、はい……一応」


歯切れ悪く返事をすると、控えめにポケットから取り出したポケモン図鑑をエマさんに見せる。


エマ「わぁ〜♪ それじゃ、選ばれたトレーナーさんなんだね♪」

侑「あはは……私は運良く貰えただけというか……選ばれたのはむしろ歩夢の方で……」

エマ「そうなの?」

歩夢「え、あ……は、はい……」

エマ「そうなんだ〜、すごいなぁ。わたし、戦うのはちょっと苦手だから、ポケモントレーナーさんはすごいなって思っちゃうよ〜」

歩夢「…………」


エマさんの言葉に、歩夢が息を詰まらせたのがわかった。


侑「え、えっと……せっかくこの町に来たから、牧場に行きたいって歩夢が提案してくれたんです! ね、歩夢!」

歩夢「え? あっ、う、うん!」

エマ「そうだったんだ〜! こうして、他の町から来た人が、興味を持ってくれるのはすっごく嬉しいな♪ そうだ! 二人はミルタンクとメェークル、どっちの乳搾りがしてみたい?」

侑「えっと、どう違うんですか?」


イメージだけで言うなら、乳搾りと言えばミルタンクだけど……メェークルの方がミルタンクよりも小さいから、ハードルは低い気もするかな……?


エマ「えっとね、ここのミルタンクの“モーモーミルク”はすっごく甘くて美味しいの! 特に搾りたてはすっごく美味しくって、飲みやすさもあるんだよ♪」

侑「……ん?」

エマ「メェークルのミルクはあっさりした味だけど、独特の風味はあるかな? 私はメェークルのミルクの方が好きなんだけど……あっ! バターやチーズを作るときでも、それぞれ全然違った味わいになってね、どっちも美味しいんだけど──」

侑「ま、待ってエマさん! 味の話じゃなくて……」

エマ「え?」

侑「あの、乳搾り自体がどう違うのかが聞きたくて……」

エマ「あ、そ、そうだよね! ごめんね……ここの牧場で採れるミルクはどれも絶品だから、つい……えへへ」


エマさんは少し恥ずかしそうに、頬を掻きながら笑う。


エマ「えっとね、ミルタンクは座ってる状態のミルタンクから、お乳を搾らせてもらうんだけど……メェークルはミルタンクみたいに座らせてお乳は搾れないから、お腹の下に手を伸ばして搾ることになるかな。初めてならミルタンクの方がイメージが掴みやすいかもしれないけど……乳搾り体験をお手伝いしてくれる子は、みんな大人しい子だから、どっちでもそんなに難しくはないと思うよ」

侑「なるほど……歩夢はどっちがいいと思う?」

歩夢「私は、侑ちゃんが選んでくれた方でいいよ」

侑「えー? うーん……どうしよう……やっぱり乳搾りって言ったら“モーモーミルク”だし、ミルタンクだけど……メェークルの乳搾りが出来るなんて珍しいし……」


私は腕を組んで、唸ってしまう。


エマ「ふふ♪ それなら、両方体験してみる?」

侑「それだ! お願いします!」

エマ「はーい♪ それじゃ、準備するからそこで待っててね♪」






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