侑「ポケットモンスター虹ヶ咲!」
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223: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/08(火) 14:51:33.78 ID:YYNh6Lpr0

しずく「──かすみさーん!」


背後からしず子の声が聞こえてきた。


かすみ「あ、しず子!」

しずく「ここにいたんだね」
 「ボクの言うとおりだったロト!!」

しずく「図鑑サーチを使っていますからね……これでいなかったら困ります」

かすみ「なんで、しず子の図鑑……喋ってるの……?」

しずく「ああ、えっと……説明すると長くなっちゃうんだけど……」
 「ボクロトムロト!! キミがかすみちゃんロトね? 今日からしずくちゃんの仲間になったロト!! よろしくロト!!」

かすみ「しず子、新しいポケモン捕まえたの!?」

しずく「捕まえたというか……まあ、成り行きで……。詳しくは後で説明するよ」


しず子は少し疲れた顔で言う。……なにかあったんですかね?


しずく「それより、もう夜になっちゃうし、ホテルに行こう? ちゃんと部屋見つけたから」


確かにしず子の言うとおり、もう辺りは薄暗くなり始めている。


かすみ「これは……次がラストチャンスになりますね……!」


しず子に続いてかすみんも、新しい仲間を手に入れなきゃ……!

かすみん、“つりざお”を振り被って、サニーゴゲット大作戦との最後の戦いに挑みます。

チャポンと音を立てながら、浮きが水面に浮かぶ。


しずく「かすみさん、釣りしてたんだね」

かすみ「はい……! 狙うは、サニーゴです!」

しずく「……え?」

かすみ「? どしたの?」

しずく「え、えっと……かすみさん……その……」

かすみ「なに? 言いたいことがあるならはっきり言いなよ」

しずく「じ、じゃあ……。……その“つりざお”だと、サニーゴ釣れないと思うよ……」

かすみ「……え?」


しず子の言葉に思わずフリーズする、かすみん。

その直後、浮きが沈み──


 「コココココココ!!!!!」


引いても居ないのに、勝手にコイキングが水の中から飛び出して──びちびちとコンクリートの上を跳ね回る。


かすみ「う、嘘……?」

しずく「私、家が海に近かったから、釣りは何度かしたことがあるんだけど……かすみさんが持っているのは“ボロのつりざお”だから……」

かすみ「“ボロのつりざお”……?」


言われてみれば、この“つりざお”、棒っ切れに糸を付けただけの簡素な物。安いから、こんなものかなと思ったんですけど……。



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