195: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/07(月) 12:30:56.78 ID:HEs2RhQZ0
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──フソウタウンは、オトノキ地方でも最大規模を誇るコンテスト施設がある町だ。
頂点のポケモンコーディネーターを決める大会“グランドフェスティバル”もこの町で開催される。
この町には、ポケモンジムのようなバトル施設がない代わりに、コンテストを中心とした観光産業を主としていて、特別な催し事のある日でなくとも、あちらこちらに出店が立ち並んでいて、今日もたくさんの人で賑わっている。
そして──
かすみ「見て見てしず子! “バニプッチパフェ”! 買っちゃった♪ めちゃくちゃ可愛くない!?」
「ガゥガゥ♪」
しずく「う、うん……」
絶賛、賑わっている人がここにも。
かすみ「って、あーー!? あれ、“ハートスイーツ”だよ、しず子!! あっ! 見て見て!! あそこに売ってる飴細工もめっちゃくちゃ可愛い! ちょっと買ってくる!!」
「ガゥッ」
しずく「か、かすみさん、そんなに買ったらおこづかいが……あ、行っちゃった……」
さっきから、気になる出店を見つけるたびに、かすみさんが買いに走っているせいか、なかなか前に進めていない。
しずく「コンテスト大会まではもう少し時間があるから、別にいいんだけど……」
今日開催される、うつくしさ大会のウルトラランクを見たいと思っているから、間に合うようにはしたいけど……恐らく開催時間の前に、かすみさんの財布が先に限界を迎える気がするし……。
かすみ「しず子〜! “ハートスイーツ”ゲットしたよ〜♪」
しずく「あ、戻ってきた……」
かすみ「フソウタウン最高かも! かすみんの好きな感じの可愛いスイーツがたっくさんあって幸せぇ〜♪」
「ガゥガゥ♪」
かすみ「ゾロアも嬉しいよね〜♪ はい、“オレンアイス”あげるね♪」
「ガゥ♪」
かすみ「しず子は何も買わないの?」
しずく「え? うーん……」
これだけ出店が立ち並んでいると、食べ歩きをしたくなる気持ちはわかるんだけど……。恐らく、ここで尽きるであろう、かすみさんの旅の資金を補うのは、私のおこづかいからだろうし……少し躊躇する。
かすみ「せっかく、フソウタウンまで来たんだから、しず子も楽しまないと!」
「ガゥッ♪」
逆に楽しみを消費する速度が速過ぎて心配なんだけど……。でも、かすみさんの言うとおり、せっかくそういう町に来ているわけだし、少しくらいは見ていってもいいのかもしれない。
しずく「メッソン、何か欲しいのある?」
「メソ…」
肩に乗っているメッソンに訊ねると──スゥッと姿を現して、
「メソ…」
小さな手で派手な看板たちに隠れた、味のある看板のお店を指差す。
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