12: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/10/30(日) 00:33:27.53 ID:QLy5TvuG0
侑「私が一緒に旅をしたいっていうのもあったんだけど……歩夢のお母さんにお願いされちゃってさ。『侑ちゃん、歩夢のことよろしくね』って」
歩夢「私も一人だと心細いから、一緒にお願いしちゃったんだ、えへへ……」
しずく「確かにいきなり一人旅は不安がありますよね……そういう不安も込みで旅の醍醐味なのかもしれませんが……」
歩夢「それでも、いきなり一人で旅に行ってこいって言われたら、私どうすればいいかわからなくなっちゃうよ……」
「シャー!!」
歩夢「あ、ごめんね。サスケがいてくれるから一人ではないけど……」
侑「逆に言うなら、私は歩夢と違って、サスケみたいな子もいないから、むしろ私が歩夢に守ってもらうみたいになっちゃうかも……」
我が家にはポケモンがいなくて、お父さんお母さんと三人家族。
逆にお隣の歩夢は、お家にたくさんポケモンがいる。サスケはそのうちの1匹というわけだ。
私と歩夢の家は、昔から家族ぐるみの付き合いだったから、生活の中にポケモンがいないという感覚はなかったし、ポケモンに慣れていないみたいなことはないんだけど……。
とはいえ、旅に出るなら近場で1匹くらいは、捕まえてから街を出た方がいいかもしれない。
侑「そういえば二人とも、貰うポケモンはもう決めた? 確か、事前に教えてもらってるんだよね?」
しずく「はい。私はみずとかげポケモンのメッソンを選ぼうと思っています」
歩夢「私は可愛いから、うさぎポケモンのヒバニーがいいかなって」
しずく「私と歩夢さんは、被っていませんが……かすみさんがどの子を選ぶか次第ですね」
歩夢「かすみちゃんも可愛い子が好きだから……被っちゃうかも」
しずく「確かにかすみさんは教えて頂いた3匹の中だと、ヒバニーが好きそうではありますね……」
侑「被っちゃったらどうするんだろう……? 話し合いかな?」
しずく「それか、トレーナーらしくバトルの実力で決めたりするのかもしれませんね……」
歩夢「バ、バトル!? いきなりは自信ないよぉ……」
侑「えー、歩夢のバトルしてるところ、私は見てみたいけどなぁ」
歩夢「もう! 侑ちゃんったら、他人事だと思って……」
侑「あはは、ごめんごめん」
ぷくーと可愛く膨れる歩夢に謝りながら──間もなく、目的地の研究所に到着しようとしているところだった。
🎹 🎹 🎹
歩夢「ちょっと緊張してきたね……」
しずく「は、はい……」
研究所を前にして、歩夢としずくちゃんが少し身を強張らせる。そんな中、私は、
侑「はぁ〜……ここがツシマ研究所……!」
思わず、研究所を見つめながら、うっとりしてしまう。
しずく「侑先輩? どうかしましたか?」
そんな私を見て、しずくちゃんが不思議そうに小首を傾げた。
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