忍野忍「そろそろ子供が欲しい」阿良々木暦「は?」
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2022/10/25(火) 23:08:00.09 ID:XI5AxasUO
「ちと話があるんじゃが」
「話? なんだよ、改まって」
僕と忍の馴れ初めを、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードとの出会いを、一から十まで語ろうとするとそれだけで日が暮れて、徒労に途方に暮れてしまうので、簡単に言うと瀕死の吸血鬼に血を捧げた結果、眷属となった僕は吸血鬼が人類と敵だと思い知ることとなり、救った相手を再び瀕死の状態に戻すという栓もない話である。
「お前様は一応、社会人なんじゃろ?」
「一応じゃなく、正式に社会人だよ」
「ならばそこそこの甲斐性はあるとみた」
そんなこんなで主従関係が逆転して今や僕がこの瀕死の吸血鬼の主となり、死なない程度に血を与えて延命させているわけだけど、だからと言って僕は忍に対して主人のように振る舞うことはせず対等な関係を築いていた。
「甲斐性があったらなんだってんだよ」
「そろそろ子供が欲しい」
「は?」
そんな忍から、耳を疑うおねだりをされた僕は牙の抜けた間抜けな声を漏らして金色の瞳をじっと見つめると、吸血鬼は凄惨に笑い。
「そろそろ子供が欲しいと言うておる」
無邪気な笑顔に似合わぬ尖った八重歯を久しぶりに直視して目の前の幼女があのキスショットの成れの果てであると僕は思い出した。
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2022/10/25(火) 23:12:11.17 ID:XI5AxasUO
「こ、子供……?」
「うん」
「そもそもお前、産め」
「産めるに決まっておろう」
3:名無しNIPPER[sage saga]
2022/10/25(火) 23:16:39.02 ID:XI5AxasUO
「なあ、忍」
「なんじゃ、我が主人様よ」
「なんで急に子供が欲しくなったんだ?」
改まって訊ねると、忍はさらりとこう語る。
4:名無しNIPPER[sage saga]
2022/10/25(火) 23:18:57.91 ID:XI5AxasUO
「ヴァンパイア・ハーフは悪か?」
「悪だよ。人類にとっても子供にとっても」
僕が知るヴァンパイア・ハーフであるエピソードは少なくとも幸せな子供ではなかった。人間と吸血鬼双方の特徴を持つ彼は、人間にも吸血鬼にも成りきれず、馴染めず、吸血鬼を恨み、吸血鬼ハンターを生業にしていた。
5:名無しNIPPER[sage saga]
2022/10/25(火) 23:20:45.76 ID:XI5AxasUO
「だが、ハーフでも血は必要だろう」
結局、吸血鬼は血を求める。あの渇きを思い出すと今でも人間をやめたくなる。だから僕は、キスショットの首筋に牙を突き立てた。
「お前様が血を与えればよい」
6:名無しNIPPER[sage saga]
2022/10/25(火) 23:23:00.37 ID:XI5AxasUO
「ちなみに」
「ん?」
「お前様がどうしてもと言うなら、産みの親の大役を変わってやってもよい」
「は? それはどういう意味だ?」
「儂が心渡をお前様の尻穴に突き刺して、孕ませることも出来るということじゃ」
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