シンエヴァ もう一つの終わり ver1.12
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30:名無しNIPPER[sage saga]
2022/10/10(月) 23:47:30.73 ID:R3+wBdbD0

 中央丘の頂部には、五つの巨大な十字架が不ぞろいに立っている

 目を見張るシンジとレイ

シンジ「きっとあそこだ」

レイ「うん」

 眼下を見ると、先ほどの壁面材が土煙を上げて転がり落ちていく

 かかとを滑らせるようにしてバランスを取りながら坂を下りはじめる初号機

 やがて傾斜が緩やかになる

 さきほどの壁面材が横たわっている

 丘に向かって走りだす初号機

 中央の十字架にだけ、白い巨大な人型が磔になっているのが見えてくる

シンジ「あれだ!」

 丘の斜面を登り始める初号機

 しだいにきつくなる傾斜

 傾斜に隠れていったん見えなくなった白い巨人の姿が、丘の縁からふたたび見え始める

 うなだれた頭部には仮面がはまっている

 以前、ネルフ本部の地下でミサトに見せられたリリスに酷似している

シンジ「まただ……これも僕のイメージなのか?」

 丘の頂部は平地になっている

 その縁に立ち上がる初号機

 エヴァが歩くのにちょうどいい広さの石畳の道が白い巨人の十字架のほうへ続いている

 AAから託された剣を握りなおす初号機

 プラグ内、インダクションレバーを握ったまま、正面を見据えているシンジ

 何かをためらう表情

レイ「どうしたの」

シンジ「僕は……僕にはマリさんを責める資格がないんだ」

 シンジの横顔を見るレイ




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