シンエヴァ もう一つの終わり ver1.12
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10:名無しNIPPER[sage saga]
2022/10/10(月) 23:32:41.95 ID:R3+wBdbD0

   天井の低い暗い管制室

   制御卓につく研究者たち

   液体に浸かったエヴァの素体が窓外に見える

マリ「でも、そんなにうまくはいかなかった。すぐに計画に遅れが出始めて、委員会からも横やりが入るようになってきた」

   何か大きな身振りで議論している研究者たち

   同じ部屋の隅で端末のキーボードをたたき続けているマリ

   スクロールしていくモニタの表示がマリの眼鏡に反射している

マリ「パイロットの調達も問題だらけだった」

   ユーロ支部

   雪の積もった庭で幼い式波タイプたちと鬼ごっこをするマリ

   その一人を捕まえて抱き上げる

   笑い転げている幼い式波タイプ

   闇――

   うなだれるマリの前にスポットライトを浴びた小さな棺が横たわっている

   格子状に並んだ多数の式波タイプの顔写真

ひとつ、またひとつと消えていく

シンジ「それじゃあ、アスカは――」

   マリ『姫を――アスカをお願い』

マリ「あの子は……最後の希望だった」

 力なく笑うマリ

マリ「委員会の査定も厳しくなってきてさ。でも私は間違ってないと思ってたから、何とか形にしようとした。形にしたかった。しまいには、親の遺産にも手を付けて――」

   部屋の片隅、ノート型端末にひたすら何かを入力しているマリ

   眼鏡にモニタの光が反射している

   手を止め髪をかきむしり、力なくうなだれるマリ

   首から下げたペンダントを握り締める手が震えている

マリ「そこでユイさんの事故……」



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