9:名無しNIPPER[sage saga]
2022/10/10(月) 23:32:12.17 ID:R3+wBdbD0
マリ「私、天才少女だったんだよ。飛び級で大学入って。言ったっけ?」
首を振るシンジ
(回想)(セピア色)
大学の構内の風景
行きかう学生たち
とある部屋のドアの上、「形而上…」と読める表示を見上げているマリ
マリ「研究を初めてすぐ、私は気づいた。私たちには先がないって」
誰もいない広大な書庫で、白い手袋をはめ、机の上に置かれた古い書物の断片を読みふけるマリ
マリ「『死海文書外典』は、今で言う人類の補完を指し示していた。私たちには、もうそれしかないことを」
書物から呆然と顔を上げるマリ
マリ「その儀式の始まりがセカンドインパクトによる海の浄化」
シンジ「で、でも、それはミサトさんのお父さんが――」
マリ「そ、葛城調査隊」
南極の雪原 カルヴァリーベースの黒光りする建造物
マリ「あれをお膳立てしたの、私なんだよ。論文を書いてね。ただし、核心には触れない。その一歩手前まで」
防寒服を着た人々が巨大な地下空間を動き回っている
マリ「わかる人には『発見』できるようにね。だから、あくまで葛城博士の仕事ってことになってる」
南極大陸を覆いつくす爆炎
シンジ「そんな……」
マリ「そりゃあ、ひどいもんだったよ。それでも、まだ始まりに過ぎなかった」
世界各地の沿岸に押し寄せる高潮
飲み込まれる都市、逃げ惑う人々
遠い目をするマリ
マリ「それから、使徒への備えが始まった。エヴァの開発、パイロットの養成……みんな私が提案したんだよ。本当はね」
ジオフロントの建設風景
マリ「私は……有頂天だった。何もかも、予想した通りだった。このあと何をすればいいか、私には全部わかってた……つもりだった」
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