54: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/27(水) 23:08:59.32 ID:1bYMbS4jO
エミリー休憩所へ向かう前日。
みふゆは予定通りみかづき荘を訪れて夕飯に同席し、やちよに近況を聞かれる。
最近の受験勉強の進捗は良好で、薬学部受験合格も現実味を帯びてきているという。
無理をしているのではないかと疑いをかけられるも、心配無用と一蹴し、食事は進んだ。
この日も鶴乃は父親の看病にあたっており、みかづき荘の住人にメールが届いていた。
「鶴乃さん、大丈夫でしょうか?」
「お父さんが季節外れの風邪にかかったらしいの。体調は少しずつ回復しているそうよ。
大事をとって来週までは、こっちに来るのを控えるって連絡があったわ」
夕飯後、みふゆからW計画の素案を確認したいと希望があり、いろはは自室に移動する。
みふゆは素案をいろはから受け取ると、拳を顎にあてながら素案に一通り目を通した後、
眉間に皺を寄せて顔を上げて、困惑した表情を見せる。
「いろはさん、明日の相談で、どのように交渉を進めようと思いました?」
「えっと、システムが広がった後、魔女殲滅を始めるから協力してほしいと」
「そんな風に伝えようとしたんですか?」
「え、えっと……同じ陣営だし、あまり堅苦しいのもどうかと思って……」
「陣営が同じか違うかは問題じゃありませんよ。これをこのまま伝えたりしたら、
協力して下さったとしても、いろはさんへの心証は悪くなってしまいますよ。
ここに書いてあることを、いろはさんが言われてみて下さい。どう思います?」
「……軽く扱われてるみたいで、嫌な気分です」
「私だって、こんなこと言われたらカチンときますね。それに、これはシステムが
惑星全土に広がったことを、前提としているじゃないですか。見切り発車としか
言えないのですが、出来ることが限られている以上、これは仕方ないのでしょう。
それはそうとして、このままでは、皆さんの協力を得るのは、難しいかと」
「じ、じゃあ、どうすれば……?」
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