26: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/26(火) 20:10:14.31 ID:vGK5oIj1O
それから数日後、思いもよらぬ方向へ事態は進む。
神浜市の外に、みかづき荘の住人が出かけていた時のことだった。
出先でインキュベーターの一個体が接触し、出会うなり一言告げた。
「ボクたちインキュベーターは、一部個体を残して撤退する」
突然すぎる宣言に、いろはが理由を問うと、エネルギー回収ノルマが突然達成されたという。
加えて、いろはたちに浄化システムを奪還された上に、神浜市に潜入していた個体がすべて消滅。
次の一手を打とうとしていたが、その必要がなくなったため、撤退することとなった。
魔法少女と人類種のその後を観測する、観測担当個体が、使用済みグリーフシード回収任務を兼任。
ほぼすべてのインキュベーターが星を去ると同時に、魔法少女の新規契約を恒久停止となることも告げられた。
しかし、一同は半信半疑で、インキュベーターへ次々に質問を投げる。
「信じられないよ、キュウべえ、本当にエネルギー回収は終わったの?」
「嘘をつく理由なんかないさ。僕たちは確かに、ノルマを達成した。
本来、膨大な因果を背負った魔法少女が魔女にでもならない限り、
こんな急なことは、起こり得ないんだけどね」
「一体、何が理由なのかしら?」
「それはボクたちも調査しているところだ。これが狙って起こせる事象なら、
魔法少女システムに取って代わる、エネルギー回収方法となり得るだろう。
ただ、特別なことでもなんでもない可能性もある。蓄積され続けた何らかの
因果が満を持して実を結んだ、という可能性だって考えられる」
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