92: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2022/11/16(水) 22:18:42.70 ID:W1WHWUQU0
故に、我々【特派府】艦隊の任務は基本的に近隣の巡回と「はぐれ艦隊」を発見した際の掃海作業、後は偵察程度に留まります。
万一主力級艦隊と接敵した場合、基本的には即座に撤退後遠巻きの監視態勢へ移行。前述した任務の兼ね合いで“偶然にも”泊地に停泊している本土の艦隊か、これも“たまたま”米軍との合同海外演習を行っていた自衛隊所属の艦娘艦隊が対処する形を取ります。
仮に交戦するとしても基地航空隊や現地の空軍と連携しながら進軍を遅滞させるための牽制がせいぜいで、本格的な艦隊決戦が指示されることは滅多にありませんでした。
取り分け艦娘戦力の充実が著しいここ2年ほどは、「偶然主力級の艦隊が泊地に入港して中だった」状態を“安定して”作ることが出来た為、そもそもそれを検討する必要性自体起こり得なかったのです。
逆説的に言えば、ここまでの鉄火場に綾波達【サマール島第19特派府】の艦隊が居るという事実、それ自体が、
「アンタらの実力そのものを疑うわけじゃないけど、要するにScoutを主任務とする艦隊を動員しなきゃいけないぐらい追い詰められてるってことでしょ?
それも、“艦娘覇権国”の日本がサ」
アトランタさんの言うような現状であることを、如実に現していると言えます。
「まぁ、あたしもアンタ達のことエラソーに言える立場じゃないんだけどね」
「………ええそうね、自覚があるなら刺々しい言い方は最初から自重なさい」
ヘッと口元を曲げ肩を竦めるアトランタさんの横で、ホーネットさんが頬に手を当てて深い溜め息をつきました。
彼女は形の良い眉をひそめて眉間に深いシワを刻みつつも、右手を多摩さんの方へ差し出します。
「ホーネットよ。国連特別“海軍”指揮下のセレベス海域防衛艦隊群に所属してるわ。私達四人の他に、チョーカイとハツヅキもそこからの派遣ね」
「………ふんっ」
多摩さんと握手を交わしつつ、空いている左手がアトランタさん達、次いで鳥海さん、初月さんと順に指し示していきます………が、最後に紹介された初月さんは、わざとらしく鼻を鳴らしてそっぽを向いてしまいました。
「あーーっ、と………ハツ?」
「あ、あの。初月さん、せっかく紹介してくれたのですから」
「別に僕は頼んでない」
困惑した表情を浮かべるホーネットさん。鳥海さんが慌てて執り成しますが、初月さんは益々大きくこれみよがしに明後日の方向へと顔を背けるばかり。
一連の動作には、明確な敵意が剥き出しでした。
「艦娘として改めて生を受けたとしても、僕は皇国海軍の駆逐艦だ。今は友軍になったとはいえ鬼畜米英の輩と馴れ合うつもりはない、作戦時以外は喋りかけないでくれ」
311Res/557.96 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20