62: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2022/09/23(金) 23:30:31.14 ID:8rRfKGN10
リ級ら敵艦隊も、無論ただやられるために棒立ちしていたわけじゃありません。反撃しよう、綾波たちを撃ち倒そうと、懸命に藻掻いている様子は砲火の中からでも十分に伺えました。
『ギィアッ………!?』
『ゴぁ────』
だけど、四方八方から雨霰と降り注ぐ綾波たちの砲火が、それを許しません。結局抵抗らしい抵抗は殆ど出来ないまま、イ級が沈みへ級が力尽き、残るはリ級ただ1隻のみです。
『グゥッ………!?』
「リ級、中破状態に移行!」
「トドメにゃ!魚雷発射!!」
詰めに詰めて、いつの間にか距離は500。海上の艦隊戦においては直接掴み合っているも同然の至近距離。
放たれた六本の魚雷は、当然外れることもなく全てリ級に吸い込まれていきます。
断末魔が、くぐもった爆発音にかき消されます。大樹の幹を思わせる図太い水柱と爆風が収まった後には、艤装の一欠片さえ残ってはいませんでした。
「敵大編隊接近!!対空警戒!繰り返す、対空警戒!!」
迅速極まりない二個艦隊の殲滅、それも損傷艦すら0の完全勝利。しかしそんな大戦果を挙げた直後でも、私達に息をつく暇は与えられません。
水平線の彼方、恐らく例の【棲姫】が居るであろう方角。そこから、巨大な雲のごとく黒いなにかが湧き出してきます。
本来天候の急激な悪化を示す黒雲の出現は、綾波たち艦娘にとって忌むべきものです。しかし今回ばかりは、アレがただの黒雲であったならその方がどんなに気が楽だったでしょうか。
『『『───────!!!』』』
そんな私の都合のいい願いが届くはずもなく、黒いナニカは明らかに明確な意思を、私達艦娘への害意・敵意を感じられる動きで此方へ向かってきました。
それはアレらがただの空に漂う水粒や氷粒の塊などではなく、先程霞さんが叫んだ通り、膨大極まる数故に1個体と見紛うばかりの敵機群であることを証明しています。
「近接航空支援要請!!」
《Roger, Engage》
多摩さんが無線に向かって叫ぶと、幸運にもこの方面で手隙の航空隊がすぐ近くにいたようです。応じる声と共に、頭上を銀影が2つ駆け抜けていきました。
《Target insight. Wendigo-05, FOX-2 FOX-2》
《Wendigo-06, FOX-2!!》
現代米軍の艦上戦闘機、確か【ホーネット】という名が着いていたその2機は、発射符号に合わせて両翼のミサイルを放ちます。周辺の友軍艦隊でも要請したところがあったのでしょう。別方面からもジェットエンジン音が重なり、我々の頭上を含む三方向から計8発の空対空ミサイルが敵機群に迫ります。
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