301: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2024/08/07(水) 22:23:10.19 ID:oOsw4SQ90
本校舎の高等部及び中等部女生徒を中心に、観光客や一般居住者、教員など、数にして400人に少し届かない程度。これは“地表”部分にいる人数で、本来弾薬や予備部品をしまう地下の収納スペースに、まだ小さな子供やお年寄りの人、傷病者等100人ほど。
恐らくはその全員が、今し方保安官の一人がもたらした“【暴徒】及び深海棲艦の撃退”という報告に沸き立った。
格納庫自体が、物理的に揺れているように思えるほどの歓声。比較的気力・体力が残っている一部女子生徒や男性教諭なんかは、立ちあがって舞い踊らんばかりに歓喜を爆発させている。
「既に艦娘・叢雲の治療と戦力の再編は始まってる!
機動保安隊及び駐在保安官各位は武器点検急げ!
また、西住さん主導のもと学園艦奪還に向けて【ガッツン作戦】の準備が進んでいる、医療・国防職経験者或いは銃火器関係の資格取得者は協力を願いたい!」
「あ、私中学から高校にかけてタンカスロンのクラブに入ってました!整備関係手伝えます!」
「俺は猟友会だ!実際にクマも撃ったことあるぜ!」
「本土の非常勤医です!衛生班の手伝いに入ります!」
報せを持ち込んだ保安官もまた興奮気味に庫内へ呼びかけ、応じて挙手した人々が我先にと格納庫の外へ駆け出していく。
逃げ込んできた直後からは、すっかり様変わりしている。通夜のようななんて表現すら生温い、あと一つきっかけがあれば集団自殺が始まるんじゃないかと思えるような雰囲気はどこかに吹き飛ばされ、立ち働く人も待つ人も、皆が皆希望に溢れた表情だ。
(………………。喜ばしいこと、の、筈………なのだが)
どうしてか、さっきから胸騒ぎが止まらない。
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