エンド・オブ・ジャパンのようです
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300: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2024/08/07(水) 22:18:13.79 ID:A23xFse80
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熱狂。言葉の意味は当然知っているし、イメージも野球やサッカー、あとはオリンピック代表選手の応援団辺りを見れば容易く付く。

何なら、その当事者になったことすらある。

戦車道全国大会の制覇に、続く大学選抜との試合での劇的な勝利。あの時は紛れもなく、私達は熱狂の渦の中心だった。

(……いや、厳密に言えば中心はあくまで西住さんだったな)

ただ、其の余波だけでも凄まじかったことは間違いない。ファンレターは一時(………性別を問わず)ほぼ毎日段ボール数十個の単位で届いていたし、特にスポーツ紙系のマスコミ関係者は入れ代わり立ち代わり学園艦に詰めかけた。
観光客の人数は最早例年とまともな比較ができない程で、商業区はほんの数週間でスカスカだったテナントが全て埋まり学園首脳部及び茨城県庁を大いに高笑いさせたという。

宇津木さんや沙織、河嶋先輩なんかは明らかに浮足立っていたな。カバさんチームの面々も、平静を装っていたが取材には嬉々として答えていた。
………私からすればありがた迷惑も良いところの乱痴気騒ぎだったが。

熱し、狂う。本当に、あの有り様はこの単語にピッタリと一致していた。夏休みの終わり頃にようやく沈静化の兆しが見えた時には心底ホッとして、二度とこんな渦の中には入りたくないと心底願ったものだ。








───だが、私のそんな細やかな願いも虚しく。

「聞いたか、深海棲艦をまた押し返したって……!」

「しかも艦娘と自衛隊員を救出してバリケードの中に呼び込んだんだってさ!」

「すげぇ、ホントに“軍神”じゃん!!」

「わ、私達、助かるの………?」

「きっと大丈夫だよ、西住さんが助けてくれるって!!!」

今格納庫の中は、あの時を遥かに凌ぐ“熱狂”で満ちていた。


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